<チャンピオンズC>

ジュンライトボルトが馬群を割った。4コーナーは密集の中。抜け出すにはどの馬の後ろを狙うかが重要になる。石川騎手は直線を向いて前を走るオーヴェルニュ(9着)から外のシャマル(5着)、テーオーケインズ(4着)に目標を切り替えた。しばらく2頭の後ろで脚をため、追い出しのチャンスをうかがう。

前の馬が進んでいかなければ詰まって脚を余す。いかにスムーズに抜けてこられるか。瞬時の判断が勝敗を分ける。残り200メートル。テーオーケインズの進みが悪いと見るや、今度は隣のノットゥルノへ馬体を寄せながら外へ開き、スペースを確保した。

このタイミングも絶妙だった。ワンテンポでも仕掛けが遅れていたら、届いたかどうか分からない。横への動きは小さく、なるべくスピードを落とさずに前を追う。上がり3ハロン36秒2は最速だが、特にラスト100メートルの伸びが強烈だった。これほど切れる脚が使えたのは、密集でのコース選択に優れ、しっかりタメを利かせていた証拠だ。