オールアットワンスが石川騎手の巧みなコース取りで、2度目の「千直女王」に輝いた。直線競馬は馬場のいい外ラチ沿いに馬が密集するため、特に差し・追い込み馬はどのコースを選択するかで勝敗を大きく左右する。1分にも満たない高速決着の中で、いかにロスを減らして力を出し切るか。ジョッキーの腕の見せどころでもある。

不利と言われる内枠(2枠3番)からスタートしたオールアットワンスは、隣のロサロッサーナを前へ行かせて、徐々に外へ進路を変えていく。無理に前へはつけず、外の馬群に取り付くと集団の後ろから、外ラチに近い馬場のいいところを確保した。一昨年は好位差しで勝ったが「ためれば切れる脚が使える」と馬を信じて差しに回った。

残り300メートル地点では前にシンシティ、トキメキ、メディーヴァル、レジェーロなど4、5頭が壁になったが、石川騎手は迷わず2着トキメキの後ろへ導く。この選択を間違えれば前が詰まる不利を受けたり、進路変更せざるを得なくなる。ラスト100メートルまで2着馬に道を作ってもらったことで、労せず抜け出してこられた。

落馬負傷のホー騎手からの乗り替わりだったが、過去に3回乗って1勝(21年アイビスSD勝利)。いいイメージを持って乗れたことも、オールアットワンスの能力を引き出せた大きな要因だ。

アイビスSDを制したオールアットワンスの石川騎手はガッツポーズする(撮影・柴田隆二)
アイビスSDを制したオールアットワンスの石川騎手はガッツポーズする(撮影・柴田隆二)