戸崎騎手は「壁」をうまく利用した。直線でアヴェラーレの前にはコンシリエーレ、ディヴィーナ、ロータスランド、ラインベックの4頭が横並び。なかなか抜け出すスペースが見つからない。それでも慌てて進路を変えるのではなく、後ろで我慢してしっかりとためを作った。矢をぎりぎりまで引いて、手を放せば勢い良く飛んでいく。そんな感じか。

あとはコース選択だけ。アヴェラーレにすれば行きたいのに進めない。軽いストレスはかかるが、それが最後の爆発力となる。残り200メートル地点でラインベックが外へもたれたのを見逃さず、狭いスペースに馬体を滑りこませると一気に前を捉えた。

馬混みで中途半端に動かなかったことで、視界が開けると瞬時に反応。抜け出す時の脚も速かった。上がりは最速タイの32秒8。陣営が素質の芽を摘まないようにじっくり育てて成長を促した分、自慢の切れにパワーも加わった。5歳牝馬だが今が旬。今後はさらに強い相手と対戦することになるが、マイル戦ならG1でも楽しみだ。

関屋記念を制したアヴェラーレの口取りをする木村師と戸崎騎手(撮影・丹羽敏通)
関屋記念を制したアヴェラーレの口取りをする木村師と戸崎騎手(撮影・丹羽敏通)