快勝した昨年のサンタアニタTを最後に引退したトロヴァオ。誘導馬を目指すことが発表されていたが、そのデビューが8日の東京ダービーに決まった。

前開催の最終日。練習中のトロヴァオのもとに、現役時代に管理した荒山師がトロヴァオのぬいぐるみを届けにきた。やおら撮影会が始まったが、じっとして動かない。誘導馬の調教を担当する坂口昇さんは「素質は十分」と話す。学習能力が高く、シャッターの開閉など、聞いたことのないような音にもすぐに慣れてきたという。「乗り始めたのは2月末、ほぼ3月からなので、(練習期間は)丸3カ月ですよね」。誘導馬としては若手の9歳だが、ベテランのような雰囲気で撮影に応じてくれた。肝心の誘導も「ほかの馬がいるからというのもあるけれども、後ろからついて1頭で大丈夫ですからね。いけるんじゃないですか」。準備は整ったようだった。

重賞4勝。16年に走った東京ダービーは2番人気で4着だったが、その6年後の東京ダービーで、いよいよセカンドライフの第1歩を踏み出す。【牛山基康】