関東オークスの最終追い切りを見届けようと小向トレセンに顔を出した先週の金曜日。岩本師に声をかけられた。「母の父クロフネというのが走るねえ。おとといの東京ダービーもそうだったでしょう?」。1番人気に推されたシャルフジンは8着に敗れたが、もう1頭、母の父クロフネの出走馬がいた。それが勝ったカイルだった。カイルの父はトーセンブライト。その血統は父がブライアンズタイム、母の父がジェイドロバリー。これぞ日本のダート血統という配合で、いかにも中長距離が合いそう。距離が2頭の明暗を分けたような結果は、父の血の差にあったということか。

そんな話を聞いた直後の日曜日。高知優駿をガルボマンボが制した。出走馬で唯一の母の父クロフネ。これはもしかして…。慌てて今年のダービーシリーズをさかのぼってみたが、九州ダービー栄城賞、東海ダービー、兵庫ダービーには母の父クロフネの出走馬はいなかった。そうなると次の東北優駿は…。フジクラウンが出走馬で唯一の母の父クロフネ。2着だったが、これは相手が強すぎた。

今日16日の北海優駿には母の父クロフネがいない。来週21日の石川ダービーは果たして…。【牛山基康】