3日に佐賀で行われたフォーマルハウト賞(1400メートル)は大井のファーマティアーズ(牝2、須田)が制した。出遅れたが、後方からまくり気味に追い込んで突き抜けた。翌日、須田和伸調教師(52)は「本当に重賞を勝てるなんて」と感慨深げに話し始めた。

同馬との出会いは昨年のサマーセール。セリ名簿は見ていたが、最下段の生産牧場まで目が行かず、落札後に驚いた。その生産牧場は偶然にも祖父の明雄元調教師、父の和正元騎手で全日本アラブ争覇、八王子記念を制したバビロニアンの山際牧場。セリの3週間前に他界した父が引き合わせたと思ったという。「山際さんと『これで重賞を勝てたらいいね』と話していたけど、そんなの九割八分が夢物語の世界。不思議だけど、こういうのもあるんだなと」。父が見たがっていたという師の重賞初勝利は一周忌を終えた直後の今年7月のハヤテスプリント。それから4カ月ほどで今回の勝利。「おやじは『おまえが重賞を取ったらいつでも死ねる』なんて言ってたけど、ちょっと我慢できなかったね」。【牛山基康】