<皐月賞>◇20日=中山◇G1◇芝2000メートル◇3歳牡牝◇出走18頭◇5着までにダービー優先出走権

“1強”の宿命とでもいいましょうか。単勝1・5倍と人気を集めたクロワデュノールは、まさかの2着に敗れました。スタートが上手な馬で、ポンと出ると北村友騎手は迷わず好位へ。ファウストラーゼンがまくってきた時も動じず、3コーナーすぎから満を持して上昇し、ホープフルSを完勝した時と同じような正攻法の競馬で抜け出しました。持てる力は十分に出していますし、鞍上のエスコートは完璧です。それでも差されることがある。どうしても目標にされる“1強”の難しさでしょう。

皐月賞を制したミュージアムマイルとモレイラ騎手。右は2着に敗れたクロワデュノール(撮影・千葉一成)
皐月賞を制したミュージアムマイルとモレイラ騎手。右は2着に敗れたクロワデュノール(撮影・千葉一成)

マジックマンの異名をとるモレイラ騎手が狙っていました。騎乗馬ミュージアムマイルの枠順はクロワのすぐ外、11番。スタートからずっとクロワの2~3馬身後ろで、じっと動きを見ていました。あの馬をかわせば勝てる。当然、その計算はあったと想像します。

道中は中団馬群でごちゃつきそうなシーンもありましたが、相棒を折り合いに専念させ、しっかりと脚はためていました。直線で外に出してからの瞬発力はすばらしいのひと言。上がり3ハロンは34秒1と最速ではありませんが、最後の2ハロンが速かった。やや重の弥生賞は切れ味をそがれ4着でしたが、レースレコードが出た本番は馬場も向きました。

マジックでも何でもありません。狙いを定めた鞍上モレイラと、非凡な瞬発力を発揮したミュージアムマイル。強い競馬をした1強クロワを、同じく強い人馬がとらえました。ともにダービーの舞台は望むところでしょう。“2強”対決を楽しみに待ちます。

3着マスカレードボールもいい脚でした。あのレースぶりなら距離が延びてもいいでしょうし、何より共同通信杯の勝ち馬ですから、東京で前進がありそうです。

4着ジョバンニは3角手前でごちゃついたのか、少し位置を下げるシーンがありました。直線は外から盛り返しているだけにもったいなかったですが、とにかく崩れない、えらい馬です。(JRA元調教師)

皐月賞を制しミュージアムマイルの鞍上でガッツポーズで歓声に応えるモレイラ騎手(撮影・千葉一成)
皐月賞を制しミュージアムマイルの鞍上でガッツポーズで歓声に応えるモレイラ騎手(撮影・千葉一成)