皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、今年も坂井のコラムをスタートさせていただくにあたって何を書こうかと考えておりました。年は新たになりましたが、少し時を戻して昨年のお話にお付き合いください。

毎年12月の初めというと、世間はクリスマスや年末の話題になりますし、競馬の世界では年末の大きなレースについて盛り上がります。そんな中、忘れてはいけない話題があります。それは「新規調教師合格発表」です。

厩務員さんを辞めた私にとってはあまり関係の無いお話ではあるのですが、知っている先輩やお友達にも挑戦されている方が沢山いはるので、どうしても気になってしまいます。トレセンにいるわけではないので、たいてい合格者を知るのは皆さんと同じタイミングで、ネットニュースなどで知ります。

今回の合格者の中には皆さんもご存じのように福永祐一騎手のお名前もありましたね。今も日本のトップジョッキーとして活躍されている中での合格だったので、とても驚きました。まだ騎手さんとしての姿を見ていたい半面、どんな厩舎を作っていかはるのか楽しみでもあり、ファンとしてはちょっと複雑な気持ちにもなっております。

残念ながら私が厩務員さん時代に福永騎手に乗っていただいたのは、乗り替わりで乗っていただいた1度だけでした。その時も担当馬が2頭とも競馬だったので、福永騎手に乗っていただくお馬さんをひくことが出来ず、お会いする事はかないませんでした。

その後も福永騎手とはお会いする機会がありませんでしたが、福永騎手のバレットさんと仲良しだったのでいろいろお話を聞いて、とてもすてきな方だなと思っていました。これから福永騎手とお会いする機会があればいいのにな、なんてミーハー心を出しつつ、福永厩舎を応援しようと思います。

さて今回合格された中に、実は私とご縁のある方がおふたりもいらっしゃいました。そのうちのおひとりは小椋研介調教師です。小椋先生はこのコラムを書いている時点で重賞3勝のシャマル号の担当をされていたのでご存じの方も多いのではないでしょうか。トレセンの中で昭和56・57年生まれの同級生同士の集まりがあり(年齢マルバレやん)、小椋先生と私はそのグループの初期の頃からのメンバーで、皆で集まったりお食事に行ったりして仲良くしていただいておりました。私がトレセンを退職し妊娠出産してからは参加できずにいますが、合格の一報を聞いたときはとてもうれしかったです。またいつか取材できる日が来たら、いろんなお話を伺いたいなと思っています。

そしてもうお一方は藤野健太調教師です。藤野先生もG1馬・テーオーケインズ号に携わっておられたのでご存じの方もいらっしゃるのではないかと思います。

藤野先生は私が厩務員さん時代に昆厩舎で大変お世話になった方で、とても尊敬している先輩のおひとりです。厩舎に入ってすぐ、右も左もわからず、そのうえ調子に乗っていた私を時には厳しく、そして優しく導いてくれはる先輩でした。そして仕事が終わるとユーモアたっぷりの話で笑わせてくれはるし、困ったことがあったら助けてくれはるとても面倒見の良い先輩でした。

そんな藤野先生の事を私はいつからか「師匠」と呼ぶようになっていました。聞いていた周りの方々は冗談で言うているようにとってはりましたが、ほんまに尊敬していたし私にとっては自然なことだったからです。そんな師匠が試験に挑戦しはると聞いたとき驚いたのと同時に師匠の作らはる厩舎ってどんな感じになるんやろうと思いました。

そして今回の発表。師匠の合格を知った私が自宅で1人、万歳をしていたことは産駒しか知りません(笑い)。私が藤野先生に大変お世話になっていたことを知っている相方さんやお友達はネットでニュースになるよりチョットだけ先に「受からはったよ!」とメールをくれはったので、実は今回皆さんよりほんの少しだけ早く結果を知ったのでした(笑い)。

ご存じかとは思いますが、調教師さんの試験というのはとんでもない量の知識を必要としますので勉強量も半端ないです。お馬さんの事だけではなく、レースの事、競馬法規、馬術…あらゆる分野の知識が必要となります。1度試験勉強を見せてもらったことがありますが、「何冊の本覚えるの?」と驚きました。仲の良い調教師さんが「大学受験よりも大変やったかもしれん」とぼそっと言わはった時、よほどの事なんやなと思ったことを思い出します。実は私も今資格を取ろうと勉強を始めたのですが3日で1ページしか覚えられず、ぼうぜんとしています(笑い)。そこは比べたらあかんやろ(笑い)。

そんな難関を突破して合格された調教師の方々はほんまにすごいし尊敬しかありません。今年からスタートされる調教師さんがどんな厩舎にされるのか、いちファンとして今からワクワクしています。今回コラムにエピソードを書きたいのですが、と連絡すると快諾してくださった小椋先生、藤野先生、本当にありがとうございました。これからもおふたりのご活躍を全力で応援しようと思います。競馬場ではとてつもなく大きな声で応援すると思いますが、嫌がらないでくださいね(笑い)。

さて今回はフェブラリーステークスですね。皆さんの推しはどなたでしょうか? 私も皆さんと一緒に推し馬さん・推し騎手さん・推し調教師さん・推し厩務員さんを応援しようと思います(笑い)。

それでは今回はこの辺で。皆様ごきげんよう。

ミーハー心を出しつつ、福永厩舎を応援しようと思います
ミーハー心を出しつつ、福永厩舎を応援しようと思います