米3冠競走はケンタッキーダービー(G1)から中1週で東部メリーランド州のピムリコ競馬場のプリークネスS(G1、ダート1900メートル=21日)に戦いの場を移します。

13日現在、出走を予定している馬は13頭。

ケンタッキーダービー組は波乱の主役に躍り出たリッチストライクを筆頭に、1番人気で2着したエピセンター、苦しみながらも3着を確保したゼンダン、見どころのある末脚で4着に食い込んだシンプリフィケーション、それに内枠でもまれて8着に終わったスマイルハッピーの5頭が参戦予定。

ケンタッキーダービーを回避して、プリークネスSに目標を切り替えた馬はアーリーヴォーティング、クリエイティヴミニスター、スキッピーロングストッキング、イシリアルロード、ウノーホ、ラトルンロール、インデュータイムの7頭。これに6日に行われたケンタッキーオークス(G1、ダート1800メートル、チャーチルダウンズ)を制して参戦を決めたシークレットオースが加わります。

ケンタッキーオークス馬の参戦は09年レイチェルアレクサンドラ以来、史上2頭目。プリークネスSの牝馬による優勝はそのレイチェルアレクサンドラを含む5頭、直近はコロナ禍の影響で10月開催となった20年のスイススカイダイバーとなっています。

前売りでは総合力で勝るエピセンターが1番人気。これにシークレットオース、ケンタッキーダービーは追い込みきれなかったゼンダン、そしてウッドメモリアルS(G2)で2着(勝ち馬はケンタッキーダービー5着のモードニゴール)したチャド・ブラウン厩舎のアーリーヴォーティングの3頭が続き、ケンタッキーダービーで大仕事を成し遂げたリッチストライクは5番手評価になっています。

リッチストライクのケンタッキーダービーは前半のハイペースに助けられて、行く所行く所のスペースが空いて、しまいもはまった格好。小回りのツーターンである程度の先行力と器用さも必要となるプリークネスSで、どう立ち回るかが見物です。

台風の目となりそうなシークレットオースはわずか3世代の産駒を残して早世したアロゲートの産駒で、“レジェンド”のウエイン・ルーカス調教師の管理馬。挑戦がうわさされたケンタッキーダービーは4月のアーカンソーダービー(G1、ダート1800メートル、オークローンパーク)の敗戦(サイバーナイフの3着)によって断念しましたが、8番手を追走して直線内ラチ沿いに末脚を伸ばして差しきったケンタッキーオークスに自信を得て、胸を張っての参戦です。同馬のファミリーからは桜花賞、オークス、エリザベス女王杯優勝のメジロラモーヌが出ています。

アーリーヴォーティングと同じチャド・ブラウン厩舎のゼンダンの前走は敗れてなお強しの印象。ピムリコは脚質的に合ったコースとは言えませんが、仮に勝てなくとも次のベルモントステークス(G1、ダート2400メートル、ベルモントパーク)が楽しみです。


◆プリークネスS(G1、ダート1900メートル、ピムリコ)出走予定馬

・エピセンター 3・5倍

・シークレットオース 5・5倍

・ゼンダン 5・5倍 

・アーリーヴォーティング 6.0倍

・リッチストライク 8・0倍

・シンプリフィケーション 10・0倍

・スマイルハッピー 12・0倍

・クリエイティヴミニスター 17・0倍

・スキッピーロングストッキング 21・0倍

・インデュータイム 21・0倍

・イシリアルロード 26・0倍

・ウノーホ 34・0倍

・ラトルンロール 34・0倍

(ターフライター奥野庸介)

※競走成績は2022年5月13日現在。

※20日(金)更新のコラムは休載します。次回は27日(金)更新予定です。

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