1番人気メイケイエール(牝4、武英)が直線で抜け出し、JRA重賞5勝目を挙げた。道中は掛かりながらも、直線で池添謙一騎手(42)がステッキを入れると一気に抜け出した。勝ちタイムは1分20秒2。

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メイケイエールが先頭でゴールを切ると、スタンドからは大きな拍手が沸き起こった。大外枠から五分のスタートを決めて中団外めを追走。向正面では行きたがり頭を上げる姿がモニターに映し出された。それでも手の内に入れている鞍上はパートナーの気分は害さない。何とかなだめて直線を向き、ステッキが入ると瞬時に抜け出した。池添騎手は「手応えがありましたし、追い出したらしっかり伸びてくれる馬なので、伸びてくれると信じて追い出しました。いや~、きつかったですね」と苦笑した。

今回も馬と騎手との戦いだった。コンビを組んでから初めての1400メートル。「今後を占う意味でも大事な1ハロン延長だと思っていた。ここ2走と比べても一番きつかった。僕自身もうまく乗れなかったところもありましたし、しんどかったです」と鞍上は汗をぬぐった。「この馬にとって折り合いは本当に大事になってくる。一生つきまとうテーマだと思います」。今後も課題は残るとしながらも、結果を出した充実感にあふれていた。

今後はひとまず休養。10月2日中山のスプリンターズS(G1、芝1200メートル)を目標に、馬の様子を見て9月11日中京のセントウルS(G2、芝1200メートル)を視野に入れる。「G1を取れるレベルの馬だとずっと思っていましたし、あとはそのタイトルだけだと思う。順調に行ってほしいですね」。G1初制覇へ。ファンを沸かせる個性派が、実りの秋を迎える。【三嶋毬里衣】