2年連続Vへ、視界よさソ~ダシ! 札幌記念(G2、芝2000メートル、21日)の最終追い切りが17日、函館と札幌競馬場で行われた。98年エアグルーヴ以来の連覇を狙うソダシ(牝4、須貝)は函館芝コースで3頭併せ。4ハロン50秒1-11秒3で最先着した。万全の仕上がりをアピール。いとこ・ハヤヤッコ(牡6、国枝)との「白毛競演」でも注目を浴びる一戦で、白毛女王の貫禄を見せる。

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午前8時半ごろ、ソダシが僚馬2頭とともに函館芝コースに入る。吉田隼騎手を背に落ち着いた様子。ほどなくして僚馬2頭がスタート。エルデストサン、ブライトサイン(ともに新馬)を追いかけ、白毛の女王が走りだす。鞍上との呼吸はぴったり。4角付近で前2頭が並ぶと、壁にするような形でじっと我慢。直線は外に出して馬なりのまま加速し、並ぶ間もなく2頭を抜き去った。2馬身先着。文句なし。S評価の動きだった。

鞍上は「馬が走る気になっている。無理に追うこともなく、いい感じでした。イメージ通りの調整ができている。ムキになることもなく、雰囲気はいいです」と手応え十分。休み明けでも態勢は整った。

前走ヴィクトリアマイルは2馬身差の完勝。好スタートから4番手のインで折り合って脚をため、直線は力強く抜け出しG1・3勝目を飾った。迫られて粘り切るのではなく、突き放した。担当の今浪厩務員が「びっくりするぐらい強かった」と振り返る勝ちっぷり。新馬戦から乗り続ける鞍上も確かな成長を感じている。「最後にひと脚使える。我慢して最後に伸びる。折り合いに関しては最近は上手に走れている」。丁寧に愛馬に教えてきたことが、実を結んできている。それを感じさせた最終追いだった。

函館から、いざ1年ぶりの札幌へ。連覇達成なら、名牝エアグルーヴ以来24年ぶりの快挙となる。吉田隼騎手は「(昨年から重量が)3キロ増えるし、戦うメンツも変わる。ただ、札幌2000メートルで勝っている。自信を持って、ソダシのパフォーマンスを出せるように乗りたいです」と意気込んだ。偉大な先輩女王に肩を並べ、秋のG1へ。凱旋(がいせん)レースを見逃すな。【網孝広】

◆札幌記念 1965年に創設。97年に夏競馬では唯一となるG2に昇格した。天皇賞・秋や凱旋門賞遠征のステップとされることも多く、G1級の好メンバーがそろうことから“スーパーG2”の異名も取る。過去10年でG1馬の出走がなかったのは17年のみ。今年は13年以来9年ぶりにG1馬が5頭も参戦予定。