今週の日曜中山メインは、秋のG1シリーズ開幕を告げるスプリンターズS(G1、芝1200メートル、10月2日)が行われる。

ウインマーベル(牡3)で2度目のG1に挑む開業4年目の深山雅史師(45)は、元々競馬に縁もゆかりもなかった。両親は会社員。自身は高校まで野球、立大では「高校の柔道の授業が好きで格闘技をやりたかった」と友人の誘いでレスリングに打ち込んだ。同じく大学時代、友人の影響で競馬に初めて触れた。土日は競馬新聞を読み込み、サイレンススズカにほれた。気づけば競馬の世界に飛び込もうと、心に決めていた。

ただ、両親からは猛反対を受けた。「大学を卒業してまでやる仕事じゃない」。それでも熱意は冷めない。血統、馬体の見方を本で学んだ。つてをたどって対面した橋口弘次郎元師から「大学を卒業するなら調教師を目指した方がいい」と背中を押された。大学卒業後はオーストラリアの競馬学校に入学。不慣れな乗馬も「受け身は得意なので」とレスリング部時代の経験が生きた。

帰国後はノーザンファーム、JRA競馬学校をへて美浦・伊藤正徳厩舎で勤務。8度目の挑戦で19年度の調教師免許試験に合格した。「今は両親も応援してくれています。中山に招待したので、いいところを見せたいですね」。進んだ道は間違いじゃなかった。夢舞台で両親に成長した姿を披露する。【桑原幹久】