1日に亡くなった元プロレスラーで参議院議員も務めたアントニオ猪木さん(享年79)に、現役ジョッキーでビンタを浴びたことのある1人が田中勝春騎手(51)だった。

12年有馬記念のレセプションパーティーで武豊騎手の指名を受けて、壇上でほおを張られた。レースでコンビを組んだネヴァブションはブービー15着と振るわなかったが、じんじんするほおと、お祭りモードのグランプリウイークは鮮明に覚えている。

「誰も行く人がいないから、『じゃあ俺が』ってなったんだけどさ。やっぱり当て方が上手なんだね。いい音を出しながら、あまり痛くないようにしてくれたんだと思う。もちろんもう受けたくないとは思ったけど(笑い)」

プライベートでは整体師が同じだった縁で古希のパーティーに呼ばれるなど、親交があった。「もう最後にあったのは何年か前かな。15年くらい前からお付き合いはったんだけどね。残念だよ。小さい頃、金曜の夜といえば、プロレス。その世代だから。毎週、中継を見ていたもん。僕にとってはスーパースターでした。初めてお会いしたときは、やっぱり『おおー』ってなった。もっと長生きしてほしかったな。残念です」と悼んだ。