29日、英国・ニューマーケットでタタソールズ社のディセンバー(12月)・メア(牝馬)・セールの2日目が行われ、ノーザンファーム(名義は吉田勝己)がフランスのG1アベイドロンシャン賞を制したザプラチナムクイーン(牝2、父コタイグローリー)を120万ギニーで落札した。

英国のリチャード・フェイヒー厩舎に所属する同馬は今年6月にデビュー。4戦3勝の成績を残し、デビュー5戦目にヨーク競馬場で行われた芝1000メートル、古馬相手のG1ナンソープSで2着に好走。秋には凱旋門賞当日にパリロンシャン競馬場で行われたG1アベイドロンシャン賞で再び古馬に挑み、現在短期免許で来日中のホリー・ドイル騎手を背に短首差でG1初勝利を挙げている。アベイドロンシャン賞を2歳馬が制したのは78年シギー以来44年ぶりの快挙だった(アベイドロンシャン賞は3歳以上の牡馬・セン馬が62キロ、牝馬が60・5キロなのに対し、2歳牝馬は52・5キロで出走可能)。シーズン最後となった米国のBCジュベナイルターフスプリントは11着に敗れ、ここまでの通算成績は8戦4勝となっている。今後について、ノーザンファーム関係者は同馬について「まだ相談してからの決定になるが、おそらく欧州で現役を続けるでしょう」とコメント。将来的には日本へ繁殖牝馬としてやってくることになりそうだ。

過去にも多くの牝馬が落札され、来日しているタタソールズ社の牝馬セール。06年にはノーザンファームがドナブリーニ(3冠牝馬ジェンティルドンナの母)を50万ギニーで落札。08年にはミュージカルウェイ(2冠牝馬ミッキークイーンの母)を30万ドルで落札している。

今年も日本の生産者が積極的に参加し、ノースヒルズは重賞ウイナーのミセスフィッツハーバート(牝4、父キングマン)を62万5千ギニーで落札。追分ファーム(名義は吉田晴哉)は近親に種牡馬ウートンバセットがいるキティーマリオン(牝6、父イフラージ)などを落札している。また、エバーユニオン商会が近親にデビュー2連勝で野路菊Sを制したファントムシーフ、ジャパンCに参戦したオネストがいるホワイトウィロウ(牝4、父ニューベイ)を落札している。

今年のタタソールズ・ディセンバー・メア・セールは11月28日から12月2日まで4日間の日程。2日目の最高落札額は540万ギニーで、今年のジュライCなどG1・4勝を挙げているアルコールフリー(牝4、父ノーネイネヴァー)が落札されている。