名牝の忘れ形見がターフを疾走する。10日中山の新馬戦(芝1600メートル)でテンペスト(牝、国枝、父ロードカナロア)がデビューを迎える。

21年2月に天に召された日米オークス馬の母シーザリオが産み落とした最後の子。全兄はデビュー4連勝で皐月賞を勝ったG1・2勝馬サートゥルナーリア、半兄にはエピファネイア、リオンディーズがいる国内屈指の血統馬だ。国枝師は「水準以上。速いところにいくとすごくいい」と素質を認める。

9月のゲート試験合格後に成長を促され、11月11日に再入厩。同30日の1週前追い切りでは美浦坂路4ハロン51秒2の1番時計を出し、スピード感あふれる走りを見せる。「普段はおとなしくて迫力もない感じだけど、気が入った時の動きがいい」と、実戦向きの気性を評価する。JRA出走経験のある兄姉10頭のうち6頭は新馬勝ちを経験。末っ子のテンペストも輝かしい未来を切り開く。