王者に風格が戻りつつある。

7日、有馬記念(GI、芝2500メートル、25日=中山)の2週前追い切りが行われ、昨年覇者のエフフォーリア(牡4、鹿戸)が登場。美浦ウッドで2頭併せを行い、6ハロン84秒7-11秒4を計時した。鹿戸師は「元気よく帰ってきた。予定通り、動きも問題ありません」と、順調な調整具合を評価した。

濃霧の中でも、確かな脚取りが光った。ルッジェーロ(古馬オープン)を1馬身半追走し、直線は内から併入。加速ラップを刻み、ラスト2ハロンは楽に11秒7-11秒4をマークするなど、数字が復調気配を表している。「今日はやる気を起こさせる形。馬場の影響もあって思ったより時計は出ました」。想像を超える走りだった。

復活の冬を目指す。1番人気に推されながら馬券外に沈んだ大阪杯、宝塚記念。春の不調を師は分析する。「大阪杯はゲートが全て。宝塚記念は少し気持ちが控えめで、やる気ももうひとつでした」。放牧の効果は抜群で、今はリフレッシュを果たした。長距離輸送のない関東圏では、6戦5勝と得意舞台が待っている。「万全な状態で出せるとは思う。順調に、体調良くいけば」。本番まで約2週間。鍛錬の日々が続く。【阿部泰斉】