“穴ローテ”からの刺客だ。皐月賞トライアルのスプリングS(G2、芝1800メートル、19日=中山、3着まで皐月賞優先出走権)の最終追い切りが16日、美浦トレセンで行われた。唯一木曜追いのハウゼ(牡、田中博)は美浦ウッドで単走。中2週でも軽快な脚さばきで好気配を見せた。前走水仙賞組は過去5年で【1 1 0 3】と好調。侮れない存在だ。

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愛らしい花とは裏腹に、強烈な毒を持つ水仙と同じく? スプリングSでも前走水仙賞組が侮れない。20年ガロアクリークが6番人気で勝利。21年アサマノイタズラは7番人気で2着と波乱を起こした。今年はハウゼが唯一の前走水仙賞組。4角先頭から長く脚を使って押し切った。田中博師は「早めに逃げる形で集中力が途切れてしまった中で勝てたのは評価できます」と力を認める。

動きっぷりがいい。最終追いは美浦ウッドで単走。伸びのあるストライドで馬場の真ん中へ。5ハロン67秒3-11秒6と馬なりできびきびと動いた。中2週も師は「オーバーワークにならないように単走。意図した追い切りができました。中間は大きく崩れることもなく、むしろ上向いていると思います」と上積みを強調。伸び盛りの3歳馬に疲れの色は見えない。

今回は一気に400メートルの距離短縮。芝で【2 0 1 1】の安定感も、2000~2200メートル戦しか経験がない。それでも師は「前走は気持ち長かった。この馬の良さは心臓。力試しの一戦。距離短縮はプラスになるかもしれません」と期待を先行させる。

英国G1・2勝の父デクラレーションオブウォーは産駒が重賞未勝利も、重賞3戦連続2着のトップナイフがいる。ハウゼも中山芝で3戦し2勝、3着1回と父譲りのしぶとさが武器だ。得意舞台で皐月賞への最終切符を仕留める。【桑原幹久】