夏の北海道シリーズが今週の函館からスタートする。開幕週のメインはサマースプリントシリーズ第1弾、函館スプリントS(G3、芝1200メートル、11日)。今年は高柳瑞厩舎が重賞馬を2頭出しする。昨秋の京阪杯を勝ったトウシンマカオ(牡4)は最重量58キロを克服する。昨秋のファンタジーSの覇者リバーラ(牝3)は3カ月ぶりの一戦に態勢を整えつつある。

トウシンマカオが2つ目の重賞タイトル獲得に挑む。別定戦の函館スプリントSは昨年6月11日以降に牡牝混合のG3を勝った馬は1キロ増。1頭だけ58キロを背負う。前走高松宮記念15着からの復権もかかる。高柳瑞師は「前走後はここを目標にやってきました。負担重量が重くなるのは承知の上です」と前を見つめる。

前走の敗因は不良馬場と明確だ。重賞を初制覇した京阪杯はレースレコードの1分7秒2をマークした。函館の開幕週の馬場はプラス。洋芝は昨夏札幌のキーンランドCで、外を回りながらの4着がある。苦にはしない。

状態の上下が少ないことがいい意味で特徴だった同馬に、伸びしろが見られた。「折り合いがつくようになったよ。馬体も減りづらくなってきているしね」。前走時の馬体重が462キロだったが、1週前の時点では470キロ以上とふっくら。これなら長距離輸送をこなせる。

調教は丹念に乗り込まれている。北海道出身の師は、故郷の土地柄を十分に理解している。「この時期はよく雨が降るんだよね。心配はそこだけかな」。再び大舞台挑戦へ。北の大地でトウシンマカオが足掛かりを築く。【阿部泰斉】