夏の北海道シリーズが今週の函館からスタートする。開幕週のメインはサマースプリントシリーズ第1弾、函館スプリントS(G3、芝1200メートル、11日)。

思わず2度見してしまうほどのラップだった。ブトンドールの函館SS1週前追い(5月31日)。栗東の坂路をシャープに駆け抜けると、電光掲示板には4ハロン52秒9-11秒3と表示された。ラスト12秒を切るだけでも優秀なのに11秒3とは…。「締まって走りやすい馬場だったこともあるが、それにしても切れた」と池添師も驚きだった。

栗東坂路のラスト11秒3は13年以降最速タイ。昨年6月1日にナムラクレアも、同タイムをたたき出した。くしくも、同じ函館SS1週前追い切りだった。レース本番では、直線で鋭く突き抜けて快勝。

両馬に共通するのは2歳重賞を勝ち、ファンタジーSで2着だったこと。ともに桜花賞にも参戦したが、基本的にはスプリンターとみられている。「これからは1200メートルで使っていきたい」と池添師。函館芝1200メートルは昨夏に重賞を勝った舞台。坂路の驚異的タイムを自信に、北の大地で飛躍を狙う。【岡本光男】