9月16日に開催されたランドヌ東京のBRM916東京300に参加。東京オリンピックコースとなった道志みちを上り、100キロ地点の山中湖に到着。残りは200キロ。これから朝霧高原を下り、富士山南麓道路を十里木まで上って行く。


山中湖は晴れ。しかし富士山は見えず
山中湖は晴れ。しかし富士山は見えず

 国道138号は片側一車線。忍野付近までは路肩が広いのだが、その先は狭い。この日は3連休の中日となって大渋滞。道の駅富士吉田付近から2車線となる上宿交差点までは苦労した。


 上宿交差点から国道は139号(富士パノラマライン)となる。天気が良ければ左手に富士山がど〜んと見せるはずだが、この日はまったく見えない。


 昼は道の駅朝霧高原で肉丼を食べようと思っていたが、お昼どきとあってさすがに腹が減ってきた。道志みちを走る青葉ブルベでいつも折り返しとなっている、鳴沢手前のセブンイレブンで補給しようと思ったが、なんと閉店。かなりショックを受けた。この先は何もなかったような気がしてこりゃ困ったぞと思った矢先、左手にローソン発見。助かった。116キロ地点。肉丼が食べられる腹は残しつつ、軽くサンドイッチをパクついた。


 実はこの先にセブンイレブンは2軒ほどあった。今後のための備忘録(^_^;。


 明神前から少し上った後は下りが続く。それが富士急ハイランド付近で平たんになり、やがて鳴沢へ向かって緩やかに上るようになる。こう配6%のところもあり、意外と足にくる区間だ。ピークは道の駅なるさわ付近。そこからは下り基調となり、青木ケ原樹海を通って本栖へ向かっていく。6月の諏訪湖600の時は逆コースできつかったが、反時計回りに行くと鳴沢から本栖までは、ちょうど青空が見え始めたこともあり気持ちのいい道だった。


鳴沢のこう配6%の坂
鳴沢のこう配6%の坂
青木ケ原樹海
青木ケ原樹海
本栖交差点
本栖交差点

 本栖交差点を右折すると本栖湖を経由し、中ノ倉トンネルを抜けると国道300号(本栖みち)。最近はご無沙汰だが、ブルベを走り始めたことは2度のぼり、1度下った懐かしい道だ。もちろん、この日は直進。右折して下り切ってしまうと富士川だからね。


 本栖からは3キロほど上り。鳴沢付近から前方に見え隠れしていたブルベライダーだが、この上りで置いて行かれた。


 本栖付近は青空が見えていたのだが、上り始めてしばらくして霧が立ちこめ始めた。富士宮市のホームページによると、「5月から8月にかけて朝夕霧の発生が多く、名前の由来となってます」とあるが、今は9月で時間は午後1時過ぎ。こういうこともあるんだと、珍しい自然現象に遭遇したと思うしかない。ブルベでの霧はたぶん初めて。


霧の朝霧高原
霧の朝霧高原
霧に包まれた山梨、静岡の県境
霧に包まれた山梨、静岡の県境

 山梨、静岡の標高約980メートルの県境付近も霧。このあたりからいよいよ天国の下りが始まる。どこだったか忘れたが、「すべて下り」と書かれた標識があった。そう、国道139号は富士宮から海抜0メートルの田子の浦まで延々と下りが続くのだ(たぶん)。


 下り始めるとすぐに道の駅朝霧高原。霧はこの付近であっさりと消えた。不思議なものである。


道の駅朝霧高原。バイクラックが置いてあった。ヒルクライム好きがたくさん来るんだね
道の駅朝霧高原。バイクラックが置いてあった。ヒルクライム好きがたくさん来るんだね
道の駅朝霧高原の入口付近
道の駅朝霧高原の入口付近

【PC2 135・8キロ 道の駅 朝霧高原】午後1時30分(貯金1時間34分)


 135・8キロ地点の朝霧高原到着。やっとPC2だ。


 さてお目当ての肉丼を食べようかと思ったが、券売機が1台故障していて残った1台に長蛇の列。肉丼はあきらめた。ソフトクリームも売り場は空いているのだが、肝心の食券が混んでいて買えない。じゃ、なにか土産ものでもと思うが、サドルバックに入るものじゃないとダメだ。物色しようにも館内の売店はごった返している。駐車場は満杯で、あふれている状態。3連休でここも大混雑。困ったなと思っていたら、外の売り場に「芋けんぴ」があった。お、これいいじゃん。補給食にもなりそう。ちょうど空いていたレジがあったので速攻でゲットした。


 芋けんぴはライド中には食べず、帰宅後にビールのつまみにした(^_^;


 富士山南麓道路には自販機さえないと、ブリーフィングで何度も言っていた。これまで3度走ったが、確かにその通りでこれまでも苦労した時があった。この日はそんなに暑くもないので、ボトルの他にペットボトル1本を空いていたボトルケージに突っ込んでリスタートした。肉丼を食い損ねてグーグー鳴っている腹は、非常食でサドルバックに入れていたクリームパンで黙らせた。


 国道139号、そして猪之頭入口交差点を左方向の県道75号に入り白糸の滝方面を目指し、上井出交差点までの約15キロのダウンヒルを楽しむ。「もうブルベなんてやめよう。苦しいだけだ」と上っている時は必ず思うのだが、下りはすべてを忘れる歓喜のひととき。これがあるからブルベはやめられないよね。


朝霧高原方面。雲の向こうに富士山がいるはず
朝霧高原方面。雲の向こうに富士山がいるはず
朝霧メイプルファーム
朝霧メイプルファーム
直線で下って行く国道139号
直線で下って行く国道139号
県道75号に入り、白糸の滝を目指す
県道75号に入り、白糸の滝を目指す

 以前は上井出交差点のところにファミリーマートがあって、神奈川の富士山一周なでPCとなっていたのだが、どうもつぶれたらしい。ただ、コースとは反対の白糸の滝方向へ少しいくとファミリーマートがあるので、もしかしたら移転したのかもしれない。最悪の場合はそのファミマで補給しようと思っていたが、水も食料も足りていたのでコース通り左折した。


 上井出交差点を過ぎたあたりで150キロ地点。下りは終わり、木立の中の県道72号をアップダウンしながら富士南麓道路を目指す。


木立の中を走る県道72号
木立の中を走る県道72号

 どうもケツが擦りむけてきたようで少しひりひりし始めた。まいったな。早すぎるよ。ケツのポジションを微妙に変えると痛みも感じなくなることをこれまでのブルベで学習しているので、ベストポジションを探しながら走った。まあ、300キロなのでごまかしながら走れるだろう。


 県道72号から国道469号(富士南麓道路)へ出て、左折した途端に急坂が始まる。途中で下るところもあるが、直線の上りが延々と15キロ続く。富士山が見える可能性もなく、同じような風景が続いていくので心が折れそうになるが、歓喜のダウンヒルを心の支えに黙々とペダルを回して上っていくしかない。


 最初に出るのが「富士山こどもの国まで8キロ」の表示。だがここはまだ途中で、上りのピークは富士サファリの先の十里木峠。裾野市境までの距離表示もあるが、ここもピークではない。ただ、裾野に入るとこう配は緩やかとなる。


国道469号の上りに入る
国道469号の上りに入る
裾野境まで11・1キロ
裾野境まで11・1キロ
裾野市街まで28キロ。直線のきつい上りが続く
裾野市街まで28キロ。直線のきつい上りが続く
まだまだ続く
まだまだ続く
裾野境まで3・1キロ
裾野境まで3・1キロ

 裾野境まで3・1キロという標識で「あと少しかな〜」と少しほっとするのだが、しばらくすると「富士サファリまであと6キロ」と出てくる。そしてこの看板の先が急坂。「あぁ…、あと6キロも上るのか」。距離とともに心を折らせる。


富士サファリまであと6キロ
富士サファリまであと6キロ
路肩の狭い直線の上りが続く
路肩の狭い直線の上りが続く

 国道469号の上りは2段階。最初は路肩も広く下りや緩やかなところがあるのだが、突き当たって左へ曲がった後は路肩も狭く、きつい直線の上りが延々と続く。つまり走りながら足を休めることができず、休憩しようにもスペースがない。たとえ足を着いたとしても、漕ぎ出しが難しい。これで富士山が見えればいいのだが、この日はダメ。モチベーションが下がるねぇ…。


 富士山こどもの国を過ぎ、ようやく裾野へ入る。ここからはこう配も緩く、平たんや下りも出てくる。このブルベ最後のヒルクライムも終わりに近づいてきた。


富士山こどもの国
富士山こどもの国
裾野市に入る
裾野市に入る

 ところが、裾野に入った時は青空も見えていたのに、しばらくするとまた霧が立ちこめてきた。今度は朝霧高原よりは濃く、メガネも曇り視界は一気に悪くなった。まさか、ここでまた霧とは。信じられん。


濃霧の十里木峠。この左手に富士サファリがある。またオリンピックコースはここを逆から上ってきて、富士サファリ方面へ曲がり、スノータウン「イエティ」へ向かって上っていく
濃霧の十里木峠。この左手に富士サファリがある。またオリンピックコースはここを逆から上ってきて、富士サファリ方面へ曲がり、スノータウン「イエティ」へ向かって上っていく

 173キロ地点の霧に包まれた、標高845メートルの十里木峠には午後3時56分に到着。すぐ近くに富士サファリがあるのだが、霧でまったく見えない。


 辛かった上りだが、そのきつさが逆にヒザの痛みを忘れ去れてくれていたようだ。


 上りはこれで終わり。あとは駿河小山まで下り、ほぼ平たんルートを駒沢まで帰る。ブルベは終わったも同然だが、この霧では楽しむどころか、かなり危険なダウンヒルとなった。


 十里木からの下りは道路はかなりウエット。小雨が降るような感じの霧のなかを下る。路肩は側溝がむき出しだ。道幅が狭いので中央寄りを走らざるを得ず、後続の車に気を遣いながら慎重に下って行く。稼ぎどころのダウンヒルだがスピードがでないのは仕方ない。セーフティー・ファーストだ。


 須山までのダウンヒルは生きた心地がしなかったが、下っていくうちに霧も晴れ、この交差点を左折するころには完全に消えた。霧の区間は5〜6キロぐらいだったようだ。


 ほっとしたことと、ずいぶん前からコーラが欲しかったので、須山交差点を左折したところの自販機で休憩したのだが、なんだか見覚えのある風景。あ、あのバス停のベンチってもしかして…。思い出した。9年前の神奈川ブルベ座間600で寝転がった須山バス停のベンチがすぐ目の前にあった。


 ブルベを11年やっていると、あちこちの何でもないところに思い出の場所ができる。ここもそのひとつ。伊豆を1周した後、三島から上ってきた。ちょうど明け方で眠くて眠くて仕方なく、このベンチに倒れ込んだ。懐かしい。またここに来るとは。その時はここで少し目をつぶった後、十里木峠を上り、この日苦しんだ国道469号の豪快なダウンヒルを楽しみ、地獄の朝霧高原を上り、本栖みちを下って身延へ向かった。


 さて、須山交差点を左折した後は、国道469号の下り。ここは気持ちいいのだが、路肩がまったくないのが玉にキズ。というか、危険。


国道469号須山付近の下り
国道469号須山付近の下り
御殿場市へ入る
御殿場市へ入る

 板妻交差点手前から渋滞しており、ちょうど山崎精肉店の前でストップしたのだが、店内をのぞいたら結構な人がいたのであきらめた。


 十里木からもオリンピックコース(方向は逆)だったが、原里小前を直進して別れを告げる。御殿場駅前付近からはお馴染みのコース。杉原交差点を左折し、駿河小山へ向かう。


【PC3 199・1キロ セブンイレブン駿東小山店】午後5時5分(貯金2時間9分)


 199・1キロ地点のPC3には午後5時5分に到着。まだ明るい。貯金は2時間9分で、PC2からは30分ほど増えてた。


 ほぼ200キロを11時間と少しかかったことになるが、道志みちと富士南麓道路の上りを考えればままずまずだろう。しかし、8年前の神奈川ブルベで、開成をスタートしヤビツ峠経由で道志みちから富士南麓道路を走る同じようなコースの富士山一周200キロを10時間9分で走っている。衰えたか…。


 残りは平たん100キロ。5時間台で走れば16時間台でゴールできる。これを目指そうと気を取り直す。


 さらに下り、生土交差点から国道246号へ入るが、清水橋交差点は左折して国道の迂回コースに入る。これまでは清水橋交差点を横断歩道で渡り、歩道を進んで谷峨駅入り口から県道76号に入ったのだが、今回は丹沢湖方面へ少し行き、川を越えたところをUターン気味に右折して県道727号へ進む。ほぼ平たんから下りで、高速を越えてしばらくすると県道76号に合流することになる。この方が自然だなと以前から思っていたのだが、ようやくブルベコースとして日の目を見た。


 新鞠子橋からはお馴染みの迂回コースを進み、山北駅を過ぎたところの岸入口を右折。宮地で国道2456号を渡り南下していく。


 開成町に入ったあたりで暗くなり、ナイトランとなった。


 実はこのコースは津久井みちへ出てから湘南モノレールの下に出るまでは、キューシートも見るまでもない走り慣れた道。ところが夜になって景色が変わったこともあり、柏山駅付近で少し悩み、小田原アリーナへ曲がるポイントはひとつ手前を左折してしまった。


 その後は間違えようもない道。親木橋から国道1号に入り、大磯駅前を右折して国道134号へ。250キロ地点の茅ヶ崎のローソンでコーラ休憩し、江の島を過ぎた先の片瀬東浜を左折。江ノ電の線路を越えて右折し、湘南モノレールの下を走る。片瀬山、鎌倉山ともうひとつ、合計3つのお山を越え天神下を右折。すぐの信号を左折したら元に戻り「あ、違った。早すぎた」。無事に小袋谷を左折し、最終PCに滑り込んだ。


【PC4 263・7キロ ローソン大船四丁目店】午後8時25分(貯金3時間9分)


 ここまでのPCでは何人かに会うことが出来たのだが、263・7キロ地点のPC4「ローソン大船四丁目店」では到着時点で誰もいなかった。


 残りは40キロ。平地なので午後10時台には余裕でゴールできそうだ。


 しかし、上大岡からみなとみらいまでは信号地獄。加えて湿度が高く、じめじめした感じがずっと続き、気温が高いのはありがたかったが、夜というのにあまり快適なライドではなかった。


みなとみらい
みなとみらい

 みなとみらいからはお馴染みのルートで国道1号へ入る。鶴見川を渡った後を左折し、これも横須賀線沿いのお馴染みのルートを北上。武蔵小杉手前からは自分にとっての初めてのルートとなり、多摩川を渡った先の丸子橋交差点を左折。Y字を入るところで、手前にも同じようなY字があり「あれ? どっち」と迷ったが、無事に目黒通りに出た。


 ここで時間を確認すると、午後11時まで残りは十数分。ぎりぎり間に合うかと気合を入れたら、大井町線の踏み切りにつかまった。あちゃー(T_T)。


【ゴール 303・4キロ セブンイレブン世田谷日体大店】午後11時(貯金3時間)


ゴールのセブンイレブン世田谷日体大店前の深沢不動前交差点
ゴールのセブンイレブン世田谷日体大店前の深沢不動前交差点

 ゴールとなる303・4キロ地点のセブンイレブン世田谷日体大店へ滑り込み、トマトジュースを手に急いでレジへ向かったがレシートに印字された時間は「午後11時」。残念。16時間台はならず、17時間ちょうどの完走となった。


 だが、この完走で2年ぶり5度目のシューペル・ランドヌール(SR)となった。昨年は600キロは完走したが、400キロを雨でDNSしたため、SRを逃していた。この日も雨が降ったらどうしようかと心配していたが、天気になってくれて良かった。


 今年の完走は2月青葉の笹子200、3月西東京の松崎200、4月東京の信濃追分400、6月西東京の諏訪湖600、そして今回の東京の朝霧高原400。6月東京の神流川300は雨でDNS。


 夜になっても気温が下がらず、ウインドブレーカーは必要なし。ダウンヒルでもアームウオーマーだけで大丈夫だったので、結局、サドルバックに入れていた薄手と厚手のウインドブレーカー、レッグウオーマー、指ありグローブは使用せず。3キロ弱の重い荷物を持って行っただけに終わった。何となく悔しいね。


ゴール受け付けの駒沢公園。重い荷物を持って走った
ゴール受け付けの駒沢公園。重い荷物を持って走った

 どうせ17時間台なら道の駅で食べるか、山崎精肉店に寄っても良かったかな。でも、完走後のうまいビールに早くありつきたいという誘惑にも勝てないしねぇ(^_^; 【メディア戦略本部 石井政己】