前回、横浜上空150メートル(実際は高度149メートルに設定しています)の映像をお届けしましたが、実は、その着陸で大変なことが起こりました。


 機体が150メートル上空を順調に旋回しているときでした。モニターを見ていたスタッフが、突然「あれっ、バッテリー(の残り)がない!」と言ったのです。フライト開始からまだ10分もたってなく、バッテリーは半分以上残っているはずです。しかも、今回はいつもより高く上げるため、フル充電したものをセットしました。150メートル上空は地上より風があり、想像以上に電源を消費すると聞いたこともありますが、なくなるほどではありません。


高度150メートルで「(残りの)バッテリーがない」と言われ、緊張感が走る日刊写真部
高度150メートルで「(残りの)バッテリーがない」と言われ、緊張感が走る日刊写真部

 慌てて空を見上げると、150メートル上空で豆粒大だった機体が、すぐそこまで降りていました。高度はすでに30メートルくらいです。我々は皆「墜落する」と思いました。とっさに持っていたビデオカメラを回すと、機体は流されながらも、何とかグラウンドに不時着しました。と、ところがです。近くで機体を確認すると、何と最新の「ファントム4」だったのです。我々日刊号は「ファントム3」です。「うちのじゃない…」。思わず声が出ました。


高度150メートルからの映像です。この後、機体は下降していきます
高度150メートルからの映像です。この後、機体は下降していきます

 実は、たまたま隣でフライト練習していた別の機体を、我々は自分たちのものと勝手に思い込んでいたのです。状況を把握し、すぐ上を見ました。「あっ、うちの機体が飛んでいる!」。そうです。約100メートル上空を、ゆっくり降下していました。状況を唯一把握していたのは、パイロットの小堀部長でした。コントローラーに付いたモニターで、機体からの映像を見ていたので、墜落せずに旋回していることを、普通に分かっていたのです。


墜落したと思われた機体は…。なんと「ファントム4」でした
墜落したと思われた機体は…。なんと「ファントム4」でした

 皆、大爆笑でした。まさか、隣の機体と間違えるなんて…。やはりドローンは一筋縄ではいきません。こんなこともあるのです。確かにバッテリーは低下していましたが、墜落するほどではありませんでした。そもそも、バッテリーが残り30パーセントになると警告音が鳴り、15パーセントで自動的に着陸する設定にしているので、普通なら墜落しないのです。ただ、残りのバッテリーがあっても、強風で機体が流され必要以上にプロペラを回すことになると、ホームポイントに戻る前にバッテリーがなくなることもあるので注意は必要です。


その後、我らの「ファントム3」が無事、帰還しました
その後、我らの「ファントム3」が無事、帰還しました

 初めて高度150メートルに挑戦し、色々なことが体験できました。やってみないと分からないことって、いっぱいあるものです。見届けてくれたセキドの橋本さんには感謝したいと思います。本当にありがとうございました。

【写真部・鹿野芳博】


◆株式会社セキド http://sekidocorp.com/

◆SEKIDO|DJIドローンフィールド http://sekidocorp.com/drone_field/