アマゾンロッカーの使い方はとっても簡単で、24時間受け取り可能なのも便利です
アマゾンロッカーの使い方はとっても簡単で、24時間受け取り可能なのも便利です

大都市を中心に普及配送サービス

 今、日本ではネット通販による荷物の増加や人手不足でサービスの維持が困難になっているヤマト運輸の現状が伝えられていますが、最近、LAでよく見かけるようになったのはアマゾンの荷物を受け取れる専用ロッカー。アメリカではもともと日本とは配送システムやサービスが異なっており、時間指定や当日の再配達などきめ細やかなサービスはありません。留守の場合、家の前やアパートのロビーに荷物をそのまま放置して帰るドライバーも多く、盗難や紛失が度々問題となってきました。そんな中、アマゾンが始めたAmazon Lockerなる配送サービスが、大都市を中心に普及し始めています。

受け取り希望のロッカー場所指定

 利用方法はとっても簡単。利用者はアマゾンで買い物する際に配送先に自分が受け取りを希望するロッカーの設置場所を指定するだけ。あとはアマゾンから配送完了のお知らせを待つのみです。ロッカーはLA市内各所のセブンイレブンや大型ショッピングモール、大手文具チェーンのステープルズなどに設置してあり、セブンイレブンなら24時間いつでも利用が可能です。

運賃が課金されますが…

 ロッカーには銀行のATMのような画面があり、そこに通知メールで送られてきた6桁のコードを入力すると、自分の荷物が入ったロッカーが自動的に開くというシステムです。ロッカーを使用するための特別料金はかからず、受け取り先の住所に基づいて計算された普通運賃が課金されます。

ハリウッドの観光名所ハリウッド&ハイランド内にもロッカーが設置されています
ハリウッドの観光名所ハリウッド&ハイランド内にもロッカーが設置されています

 2011年にニューヨークとシアトル、そして英ロンドンでサービスがスタートし、翌年にはLAでもテスト導入されていましたが、今年に入ってからはLA市内でのあちらこちらでロッカーを見かけるようになってきました。

人手不足の解決策にも

 現在は、ラスベガスやボストン、シカゴなどの大都市でも普及しています。重さは5キロまでで、大きさにも制限はありますが、これからさらに普及すれば大きな荷物も受け取れるロッカーができる可能性もありそうです。一部地域では、当日配送も可能となっており、これからますます需要が増えることでしょう。

 この新し配送サービスを始めた当初は盗難防止や配送ミスを防ぐことが目的だったと言われていますが、これは物流の流れを変える大きな革命になりそうな予感。実際に利用した人たちからは、アマゾンだけでなく、郵便局やフェデックスでも導入して欲しいという声が多数あがっています。

 日本では宅配サービス会社が連携して、これに類似するシステムをマンションなどに導入しているところもあるようですが、より設備拡大することで人手不足などの問題解決策のひとつになるのではないでしょうか。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。写真も)