UCバークレーの校内にあるセイザー・タワーは街のシンボル的存在
UCバークレーの校内にあるセイザー・タワーは街のシンボル的存在

 サンフランシスコ(SF)からベイブリッジを渡った東側の対岸にある街バークレーは、全米で最もリベラルな街として知られています。通称UCバークレーの名で知られる名門カリフォルニア大学バークレー校を擁するバークレーは、1960年代のヒッピー運動を生んだ場所であり、全米で最も政治・社会的に進歩的な街で、リベラル派の聖地といって良い存在です。アカデミックな街として知られる一方で、今もヒッピー文化が色濃く残り、カリフォルニアキュイジーヌの発祥の地として知られるグルメの街でもあります。SFからは地下鉄で25分とアクセスも良く、見どころたくさんの魅力あふれる街です。

手前がキャンパスで、海の向こうにSFの街が広がっています
手前がキャンパスで、海の向こうにSFの街が広がっています

 数多くのノーベル賞受賞者を輩出しているUCバークレーは、1868年に設立された東京ドーム100個分以上の広大なキャンパスが魅力。シリコンバレーからほど近いこともありIT分野が有名なほか、多くの有名アスリートやメダリストも輩出するなどスポーツの分野でもその名を知られています。300を超える学部があり、ソフトバンクの孫正義氏もこの大学の卒業生です。キャンパス内にあるセイザータワーはバークレーのシンボル的存在で、展望台からはバークレーの街はもちろん、SFやオークランドの町並みを見渡すことができます。また、キャンパス内の丘の上からも絶景が楽しめ、学生のみならず地元の人や観光客にも人気のスポット。校内には博物館、美術館、科学館、植物園などもあり、こちらも誰でも気軽に訪れることができます。

おしゃれな町並みが広がる4thストリートエリア
おしゃれな町並みが広がる4thストリートエリア

 食に対する意識が高い人が集まっているバークレーは、オーガニックフードの最先端の街でもあります。近郊の農家や生産者が集まるファーマーズマーケットでは、オーガニックの新鮮な野菜や果物、パンや保存食、ジュースなどを買うことができます。バークレーでは「地産地消」という考えが根付いているので、売られているものはほとんどがバークレーやSF近郊のもの。ワインや地ビール、ハードサイダー(リンゴの発泡酒)なども近年は注目を集めており、地元のおいしい食材や食べ物を探すのも楽しみの一つです。地産地消、その日に採れた新鮮な食材だけを使う全米で最も予約が取れないといわれるレストラン「シェ・パニーズ」などグルメ派もうならせる名店もあり、全米からおいしいものを求めて人が集まってきます。

ローカルの果物を使って手作りするシロップやジュースをファーマーズマーケットで販売する地元の人
ローカルの果物を使って手作りするシロップやジュースをファーマーズマーケットで販売する地元の人

 ヒッピー発祥の地バークレーでは、ヒッピー文化も魅力の一つ。UCバークレーの正門前には60年代から70年代にかけてベトナム反戦運動の中心地となったヒッピー文化を色濃く残すエリア「テレグラフ・アベニュー」があり、独特な雰囲気を醸し出しています。また、おしゃれなショップやカフェが集まる人気の4thストリートまで足を延ばせば、オーガニックコットンを使ったリネンやせっけん、化粧品などコスメ、雑貨やキッチン用品の専門店などが立ち並ぶハイソなエリアもあります。自家焙煎のおいしいコーヒーショップもたくさんあり、店内では勉強する学生や哲学談議を繰り広げる若者の姿を見かけるなど、アカデミックな街らしい光景も見かけます。自然豊かなバークレーでは、ハイキングやサイクリング、乗馬なども楽しむこともでき、おいしいものを食べて美しい自然や景観に触れて心と体をリフレッシュする、そんな楽しみ方ができるのもバークレーならではです。(千歳香奈子。日刊スポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)