ベニス店はショップやカフェが並ぶ人気ストリート「アボットキニー」にあります。お持ち帰り用アイスも販売しています

ハンドメイドのアイスクリームで人気のオレゴン州ポートランド発のアイスクリーム店「ソルト・アンド・ストロー」が、ハロウィーン限定のとってもユニークなアイスクリームを考案して話題になっています。ロサンゼルス（LA）にも5店舗を展開するソルト・アンド・ストローは、アイスクリームに使う乳製品や素材はすべてオーガニックのナチュラルなものを使っていることで知られ、週末などは行列ができることもしばしば。2011年のオープン以来、地産地消、他のアイスクリーム店には見られない一風変わったユニークなフレーバーで人気を博してきましたが、ハロウィーンに因んだ時期限定のメニューは名前も使っている素材もかなり変りダネです。

ハロウィーン限定メニューは5つ。どれもゴーストやドラキュラなど怖い名前がついています

アイスクリームショップと言うと、色とりどりのフレーバーが並ぶショーケースがあり、そこから好きなフレーバーを選ぶお店が多いですが、ソルト・アンド・ストローにはアイスクリームが並ぶショーケースはありません。代わりに黒板に書かれた手書きのメニューがあり、そこから選んでオーダーします。メニューは定番と季節限定の2種類があり、中にはまったくどんなものか想像ができないものも。と言うものこのお店では廃棄処分になるはずだった食材を積極的に取り入れており、時にはこんな斬新な組み合わせがあるんだ！と驚くこともしばしば。でも、オーダーする前に試食をさせてもらえるので、失敗せずにお好みのフレーバーを選ぶことができます。10月はハロウィーンの特別メニューがあり、黒板には不気味な絵と共に「エッセンス・オブ・ゴースト」や「マミーズ・パンプキン・スパイスド・ポーション」など、なんともおどろおどろしい名前が並んでいます。

ドラキュラの血と言うネーミングのブラッド・プティング（豚の血）を使ったアイス（写真は公式インスタグラムより）

中でも一番の話題は「ドラキュラズ・ブラッド・プディング」というアイス。ドラキュラの血という名前の通り、このアイスクリームにはなんと本物の血が入っているのです。とは言っても、もちろん人間の血ではなく、ポートランドの自然派の精肉店から仕入れた新鮮な豚の血を使っているとのこと。見た目はチョコアイスのように見えますが、オーダーするにはちょっと勇気が必要です。「ブラッド・プティング」は豚の血を使ったソーセージに代表される料理のことで、以前にも「骨髄」入りのアイスクリームも販売していたので、この手のマニアックなフレーバーは人気があるようです。レバーに近い味のブラッド・プティングを使ったアイスは一体全体どんな味がするのでしょう。シナモンやコリアンダーなどのスパイスにクリーム、チョコレートを使っているとのことで一口目はとってもクリーミーで生臭さは感じませんが、食べ進めていくうちに後味にどことなくブラッド・プティングの風味を感じるようになってくるので、好き嫌いがはっきりしそうです。溶けてくるとよけいに血生臭さを感じるようになるようなので、一気に食べるのがおすすめです。

下がドラキュラ・ブラッド・プティング、上がコオロギ入りのクリーピー・クロウリー・クリッターズ

「クリーピー・クロウリー・クリッターズ」は抹茶を使ったきれいな緑色のアイスですが、こちらはなんとダークチョコレートでコーティングしたコオロギがトッピングされています。他にもオレンジの皮やバターを練りこんだココナッツタフィーなども一緒に混ざっているのでコオロギの食感や風味はほとんど感じず、言われないと気付かずに食べられますが、知っていたらこちらもオーダーするのにかなりちゅうちょしそうな一品です。

ベニス店の店内は木を基調にした温かみのある内装です

ちなみにお店の人に聞いたところ、バタースコッチアイスをベースにスニッカーズやピーナツバターカップ、ツイックスなどチョコバーを混ぜた「ゴースト・キャンディーコピア」が一番人気だそうですが、せっかくのハロウィーンなので怖い物好きの人は豚の血やコオロギ入りのアイスに挑戦してみるのも良いかもしれません。11月はサンクスギビング、12月はクリスマス向けの限定メニューも発売予定とのことで、次はどんなユニークなメニューが並ぶか今から楽しみです。（米ロサンゼルスから千歳香奈子。日刊スポーツ・コム「ラララ西海岸」）