今日はコロナ禍で迎える初めてのバレンタインデーですが、アメリカではここ数日、テレビやメディアで「パンデミック下のバレンタインデーをいかに特別なものにするか」「ソーシャルディスタンスを保ちながら愛を誓いあう最高の方法」「コロナ禍で過ごすバレンタインデー」などといった特集が組まれ、新型コロナウイルスがいぜん猛威を振るう中で感染リスクを抑えながらバレンタインデーを祝う方法が話題になっています。

ハート型のボックスに入ったチョコレート。アメリカには義理チョコはありません
ハート型のボックスに入ったチョコレート。アメリカには義理チョコはありません

日本では女の子が好きな人にチョコレートを贈って愛の告白をする日として知られていますが、アメリカのバレンタインデーは愛する人への感謝を伝える日とされています。贈り物も女性から男性にという概念はなく、どちらかというと男性が妻や恋人にプレゼントを渡すことが多く、相手は恋人に限らずに家族や友人ら大切な人も含まれています。

コロナ禍以前のバレンタインデーはカップルや夫婦はレストランでロマンチックな食事を楽しみ、プレゼントを贈って愛を確かめ合ったり、大切な友人にカードを贈ったり、友人同士で集まってバレンタインデー・パーティーを楽しむのが恒例となっていました。

しかし、今年は気軽にレストランに食事に行くこともできず、離れて暮らす恋人や家族とは直接会うことも思うようにいかないのが現状で、プレゼントを郵送したり、オンラインでバーチャルパーティーやデートをしたり、感染リスクの少ないアウトドアでのデートなどが推奨されています。

オンラインで集まって友人同士でパーティーをしたり、バーチャルで同じ映画を見ながらワインを楽しんだり、バーチャルの絵画教室を一緒に体験したり、レシピを共有して一緒に料理を作って画面越しに食事を楽しむなど、コロナ禍ならではのユニークなアイディアもたくさんシェアされています。また、旅行に出かけるかわりに近場でハイキングや海辺のサイクリングなど、アウトドアデートを楽しんだり、ドライブインシアターでの映画鑑賞など、ソーシャルディスタンスを保ちながらロマンチックに過ごせる方法も多数紹介されています。

日本では義理チョコも含めて、バレンタインデーの贈り物といえばチョコレートが一般的ですが、アメリカでは男性が女性にバラの花束やテディベアのぬいぐるみ、ハート型のバルーンや宝石などを贈ることで知られています。

バレンタインデーの贈り物の一番人気はバラの花束。テディーベアを添えて贈る人も多くいます
バレンタインデーの贈り物の一番人気はバラの花束。テディーベアを添えて贈る人も多くいます
愛のメッセージ入りの風船を花束と一緒に贈ることも
愛のメッセージ入りの風船を花束と一緒に贈ることも

しかし今年はコロナの影響を受け、贈り物にも変化がみられるといいます。例年にも増して生花の売り上げが伸びているとFOXニュースは伝えていますが、ステイホームで多くの人が自宅で過ごす時間が長くなっていることから部屋に花を飾る人が増えており、直接会えない人に気持ちを伝えるために、花束は最高のギフトになっているようです。また、今年は愛する恋人や夫に贈る以外にも、コロナで亡くなった家族やパートナーに花を贈る人も多く、生花店はどこも大繁盛しているといいます。

ほかにもデザイナーズブランドのおしゃれなマスクやLOVEなどのメッセージが印字されたビーフジャーキーも人気で、コロナによるストレスから甘いものの消費が増えていることを背景にチョコレートの売り上げも例年より伸びていると伝えられています。

スーパーに並ぶハート形のケーキ
スーパーに並ぶハート形のケーキ

ここロサンゼルスではいぜんとして飲食店の店内飲食は認められていないことから、自宅で過ごす人向けに、多くのレストランがバレンタインデー向けの特別コース料理のテイクアウトを用意しているほか、ハート型のピザや自宅で手作りするハート型クッキーのキットなども人気になっているといいます。コロナ禍で夫婦や恋人のあり方に変化がみられるといわれる昨今、バレンタインデーもこれまでとは違うものになりそうです。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)