日本では16日に全国で1日に確認された新型コロナの感染者数が過去最多となる11万人を超え、夏休みを前に感染力の強いオミクロン株の亜種「BA.5」の蔓延が危惧されていますが、ここロサンゼルス(LA)でも感染が急拡大しており、屋内でのマスク着用義務化が復活する可能性も浮上しています。

日本同様LAでもBA.5の感染が拡大しており、1日当たりの新規感染者数は1万人に迫る勢いで、医療体制の逼迫も懸念され始めています。

感染再拡大を伝えるLAタイムズ紙の記事
感染再拡大を伝えるLAタイムズ紙の記事

直近の入院患者数が、感染危険情報レベルで「高」にカテゴライズされる、住民10万人あたり100人を超えたことから、このまま感染拡大が続いた場合は早ければ今月29日から再び屋内でのマスク着用が義務化されるとロサンゼルス・タイムズ紙など複数のメディアが伝えています。1週間の平均陽性者率でも、感染が拡大していた今年1月末の8.5%から17%に上昇しており、BA.5の感染力の強さが浮き彫りになっています。

ウィズコロナが進むアメリカではマスク着用義務は解除されており、全米の中でも感染予防対策が厳しいとされるLAでも、マスクを着用している人はほんの一握りなのが現状。スーパーなどの店員や飲食店のスタッフが着用しているケースはありますが、買い物客や飲食店を利用する人の多くはノーマスクです。

ノーマスクで公園で集う人々
ノーマスクで公園で集う人々

一方、LAでは現在もバスや地下鉄、タクシーやライドシェアなど公共交通機関と、空港や駅などでのマスク着用義務は継続しており、医療施設や高齢者施設などでも同様に着用が求められています。

日本ではまだ屋外でもマスクをして外出する人が多いと言われていますが、長期にわたるマスク生活に辟易しているアメリカ人の多くはマスクからの解放を喜んでおり、これから夏本番に向けてマスク着用義務化は論争を巻き起こすことになるかもしれません。

このまま入院患者数が減少しなければ29日から執行されるマスク着用義務ですが、今後LA旅行を計画中の方は注意が必要です。マスク着用が義務化される場所は、(1)スーパーやドラッグストアを含む全ての小売店(2)屋内イベント(3)バーや飲食店の店内(4)学校(5)オフィスや工場など、全ての屋内の公共施設です。

感染再拡大を受けて、マスク着用推奨と張り紙をするゲーム店も
感染再拡大を受けて、マスク着用推奨と張り紙をするゲーム店も

日本では「アメリカではもう誰もマスクをしていない」というイメージが強いかもしれませんが、LA到着後の空港はもちろん、空港からの公共交通機関での移動にもマスクが必要です。そして、29日からは買い物時や屋内でのスポーツ観戦やコンサート、美術館や博物館等でもマスク着用が求められることになる見込みなので、かばんに入れるなどマスクを忘れずに持参するようにしましょう。

また、日本帰国72時間前のPCR検査で陽性反応が出る人も増えていると言われており、LAも日本と同様に感染が拡大しているとの認識で、感染予防をしながら観光を楽しむことも重要になりそうです。滞在中に万が一感染した場合に備え、保険に加入するなどアメリカもまだコロナ禍であることを踏まえて旅の準備をすると安心です。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)