開催中のサッカーFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会で、残念ながら日本代表は決勝トーナメント1回戦でクロアチアにPK戦の末に敗れてしまいましたが、次回2026年大会はここロサンゼルス(LA)を含めたアメリカ、カナダ、メキシコの3カ国、16都市で開催されます。日韓同時開催はあったものの3カ国での共催は史上初で、アメリカからは、シアトル、サンフランシスコ/ベイエリア、LA、カンザスシティ、ダラス、アトランタ、ヒューストン、ボストン、フィラデルフィア、マイアミ、ニューヨーク/ニュージャージーの11都市が開催地に選ばれています。

2026年W杯はアメリカ、カナダ、メキシコの3か国開催。アメリカは11都市がホストに(FOXスポーツのツイートより)
2026年W杯はアメリカ、カナダ、メキシコの3か国開催。アメリカは11都市がホストに(FOXスポーツのツイートより)

アメリカでW杯が開催されるのは1994年以来32年ぶりです。26年大会は現行の32から48に出場チームが増加することが決まっており、FOXニュースによると、80試合中60試合がアメリカ国内で開催される見通しだと言います。準々決勝以降のすべての試合がアメリカで開催され、決勝戦の会場はテキサス州ダラスのAT&Tスタジアムになると言われています。

前回の94年大会は、毎年元日に行われるカレッジフットボールのボウル・ゲーム「ローズボウル」の会場として知られるLAダウンタウンの北部に位置するパサデナにあるローズボウル・スタジアムで決勝戦が行われましたが、26年大会のLA会場はコロナ禍の2020年9月にオープンしたばかりのSoFi(ソーファイ)スタジアムになります。こけら落としとして予定されていたテイラー・スウィフトの公演が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になるなどしましたが、2020年シーズンからNFLのLAチャージャーズとラムズの本拠として使われています。昨年は韓国の人気グループBTSの4公演が完売御礼になって話題になった他、今年2月にはNFLの頂点を決める王者決定戦スーパーボウルも開催されています。また、2028年夏季ロサンゼルスオリンピック(五輪)では開会式と閉会式並びにサッカーの会場にも決まっています。

建設費49億円で2020年にオープンしたSoFiスタジアム
建設費49億円で2020年にオープンしたSoFiスタジアム
SoFiスタジアムの上を飛ぶ飛行機
SoFiスタジアムの上を飛ぶ飛行機

ハリウッド競馬場の再開発としてその跡地に建設されたSoFiスタジアムは、NFL最大の大きさを誇ると同時に初の屋内外スタジアムでもあります。建設費は49億ドルと言われ、座席数は7万席(最大10万席まで拡張可能)で、260以上の豪華なスイートルームがあることも特徴です。ロサンゼルス空港から直線距離で5キロほどしか離れておらず、飛行経路上にあるため、連邦航空局(FAA)による高さ規制があり、それをクリアするために地面を掘って地下部分を利用する形で建てられた非常にユニークなスタジアムとなっています。フィールドは地面の高さから約15メートル下に位置しており、入り口から中に入ると観客は下に降りていくような構造になっており、NFLの会場で最も観客席とフィールドが近く、他のスタジアムでは味わえない臨場感が楽しめるのが最大の特徴です。

さらに、アメリカのスポーツスタジアムでは最大となる「インフィニティ・スクリーン」と呼ばれる4Kの巨大な長方形状のスクリーンがフィールド中央部分に吊るされており、特別設計された音響システムや調節可能なルーフパネルで外から風を取り込むことができる屋根など最先端技術を使った設計でも話題です。

巨大電光掲示板が吊るされたスタジアムは自然光が天井から差し込む設計
巨大電光掲示板が吊るされたスタジアムは自然光が天井から差し込む設計
地上から15メートル下にあるフィールドと観客席の近さは他のスタジアムとは比較にならない
地上から15メートル下にあるフィールドと観客席の近さは他のスタジアムとは比較にならない

W杯26年大会のチケット販売は25年になると言われており、まだかなり先になりますが、現在NFLはシーズン真っただ中です。また、スタジアム内を見学できる有料ツアーも行われており、VIPルームなど普段見られない場所を見学したり、フィールドにも降りることができるので、興味のある方にはお勧めです。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)