オーガニックやヘルシーフードの最先端を行くロサンゼルスで、今年も3月7日から11日の日程でナチュラルフードや健康食品に特化した世界最大規模の見本市「ナチュラル・プロダクツ・エキスポ・ウエスト」が開催されました。

会場には所狭しとブースが並んでいます
会場には所狭しとブースが並んでいます

新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年は開催直前に中止が決まり、翌年はオンライン開催となった同エキスポは、昨年から対面での開催が再開。日本を含む世界各国でコロナの規制が緩和されたこともあり、今年は昨年を上回る3000を超える出展があり、会場となったアナハイム・コンベンション・センターには6万7000人を超える来場者が詰めかけました。昨年に続いて今年も現地からのレポートをお届けします。

酪農家の重要性を訴える大きな看板を出す牛乳メーカーも
酪農家の重要性を訴える大きな看板を出す牛乳メーカーも

会場は「ナチュラルフード」「サプリメント」「オーガニック」「スペシャルフード」などカテゴリーごとにブロック分けされており、1日で全てを回り切れないほど広く、ターゲットを絞って見て回るだけでも丸1日を要する規模です。昨年よりはるかに出展ブースも来場者も増え、活気が戻ってきたのが感じられます。今年は試食の提供も完全復活しており、昼時にはどこのブースも大混雑。ピザやパスタ、ラーメン、サンドイッチからパンケーキにアイスクリーム、スナックにチョコレート、ドリンクまでさまざまな試食ができるとあり、フードコーナーは歩くのも大変なほど大にぎわいでした。

植物由来の代替肉ではないリアルな肉製品も多く紹介されていました
植物由来の代替肉ではないリアルな肉製品も多く紹介されていました

このエキスポから新たなトレンドが生まれ、紹介されていた商品が後にホールフーズなど大手スーパーマーケットに並ぶことも珍しくないので、世界中からバイヤーも集まります。植物代替肉や野菜を使ったパスタやピザドウなど植物由来の製品は今年も引き続き人気を集めていましたが、一方でアニマルウェルフェア(感情を持つ生き物として家畜を扱い、ストレスをできるだけ少なくし、健康的な暮らしができる飼育方法を目指す畜産の在り方)に配慮した鶏肉や卵、食肉製品、グラフフェッドビーフ(牧草牛肉)も多く紹介されていたのが印象的でした。

平飼い放牧鶏の卵は昨今のトレンド
平飼い放牧鶏の卵は昨今のトレンド

野菜系では数年前から人気のカリフラワーを使った製品も多くありましたが、今年はマッシュルームジャーキーやマッシュルーム入り缶コーヒーなどマッシュルーム(キノコ)製品が目立っており、新たなトレンドになっていました。また、日本からは米粉を使ったラーメン、玄米粉のパン粉、お茶やゆず製品などを紹介するJapanブースがあったほか、すでに現地で人気の豆腐にみそ、酢、ラーメン、ペットボトル茶など多くの日本の食品会社も出展しており、日本食の人気の高さがうかがえます。

さまざまな種類のキノコを生産する企業のブース
さまざまな種類のキノコを生産する企業のブース
シイタケジャーキーも登場
シイタケジャーキーも登場
グルテンフリーが浸透するアメリカでは米粉の人気も高まりつつあります
グルテンフリーが浸透するアメリカでは米粉の人気も高まりつつあります

また、食べ物だけでなく、サプリメントやヘア・スキンケア商品、ペットフード、環境に配慮した脱プラスチック容器やカトラリー、ボトルなどSDGsに取り組む商品も多く、サステイナブルも大きなテーマになっていました。コロナ禍で低迷していたビジネスが、ようやく回復傾向にあることを肌で感じるエキスポでした。

(ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」、写真も)