新型コロナウイルの感染が拡大してパンデミックと認定されて2024年の3月で4年となりますが、今年のホリデーシーズンの幕開けとなった23日の感謝祭の連休は、アメリカ国内の空港で保安検査場を通過した旅行者が過去最多を記録したことが伝えられています。さらにこれからクリスマス、新年にかけて旅行需要は高まる見通しで、ホリデーを楽しむ人たちでにぎわうことが予想されています。

そんな中、アメリカでは今、通称「ピロラ」と呼ばれる新型コロナウイルスのオミクロン株の変異株BA.2.86がまん延し、感染者数が急増しています。米疾病対策センター(CDC)によると、今年8月に検出されて以降、ここ数週間で急速に広がっているといいます。今月27日までの2週間で、ピロラが新規感染者の9%を占めているとのデータもあり、前の2週間から3倍近く急増しています。

この2週間でピロラの感染者数が3倍近く急増したことを伝えるUSAトゥデイ紙の記事
この2週間でピロラの感染者数が3倍近く急増したことを伝えるUSAトゥデイ紙の記事

世界保健機構(WHO)は先日、ピロラを「監視下の変異株」から警戒レベルを1段引き上げて「注目すべき変異株」に指定しましたが、現時点でより重篤な疾患を引き起こす証拠はないともいわれています。CDCはピロラも他の変異株と同じく最新ワクチンで予防効果が得られるとしている一方、ワクチンや以前の感染による既存の免疫を回避する能力が高い可能性もあるようです。そのため、この冬もこれまでと同様にホリデーシーズン期間中に感染者数が増加することが予想されており、改めて注意が呼びかけられています。

では、ビオラに感染するとどのような症状が現れるのでしょう。CDCによると、症例数が少ないことから現時点では他の変異株と比べて異なる症状が生じるかどうかは分からないとしていますが、これまでと共通してせき、喉の痛み、鼻水、うっ血、頭痛、筋肉痛、味覚障害などが主な症状にあげられています。

感染力の強さについても現時点では分かっていないものの、免疫をすり抜ける力が強いため、ワクチン接種者や以前に感染した人がより感染しやすい可能性もあるようです。一方で、入院患者数の増加は見られないことから、重篤化する傾向は少ないとみられています。

過去2年と現在の入院患者数を比較するNBCの情報番組Today。大幅に減少していることが分かります
過去2年と現在の入院患者数を比較するNBCの情報番組Today。大幅に減少していることが分かります

現在、感染が広がっている国は、イギリス、フランス、スウェーデン、アメリカ、スペイン、カナダの6カ国だといわれており、アメリカでは30州で540を超える感染が報告されています。

ほとんどの人が感染期間は10日ほどで、発症後から最初の5日間が最も感染力が強いといわれていますが、症状が長引くケースもあるようです。発症から10日間はマスク着用が推奨されていますが、これからの季節は人混みに出かける際には注意が必要です。

日本でも新型コロナが5類に移行してから初めて迎える年末年始とあり、久しぶりに忘年会を行ったり、年末年始の帰省や旅行を計画されている方も多いと思いますが、改めて基本的な感染対策が大切になりそうです。

(米ロサンゼルスから千歳香奈子。ニッカンスポーツ・コム「ラララ西海岸」)