JR、私鉄を問わず全国に数多く存在するのが「難読駅」。そもそもの漢字が難しいものから、小学生でも書ける漢字ながら、想像もできない読みになっているものがありますが、並べ始めるとキリがないので、近畿2府4県で私の写真フォルダにあるものの中から、単なる難読だけではなく、区別がつかなくなってしまう駅、つい引っかかってしまう駅も紹介します。

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今でこそ「難読駅」で検索すれば、いくらでも出てくるし、漢字や路線名を頼りにすれば、日本全国の駅名はほぼ知ることができます。だがインターネットなんてなかった時代は大変。時刻表は漢字しか載っていないので現地に行くしかありません。読めないというのは基本的に普段の生活圏にないところ=遠い所なのでイライラが募る一方。でもネットではなく、そういう時代に実際に訪れて「ほ~、こう読むのか」と思った駅名って不思議と忘れないですね。

(写真1)
(写真1)

ただ今の世でも漢字の基本的な読みや路線名が分からないとネット検索もできません。その点では初対面の印象も含めて私の最上位はこちら(写真1)。10年前の写真なので、様変わりしているかもしれませんが、ちょっと意地悪して路線名を消してみました。本当はこの後に出てくる駅も読みを隠そうと思いましたが、手間が面倒なのでやめました(笑い)。この駅の正解は最後にします。

(写真2)
(写真2)

難読駅は歴史ある地域に多いと言われ、京都、奈良そして現地に向かう路線にも多くあります(写真2=桜井線)。昨年4月14日と18日の2回に分けて桜井線の難読駅について特集しましたが、京終以外にも「櫟本」「畝傍」など難解な漢字の駅も多く出てきますので、ぜひご一読ください。

(写真3)
(写真3)
(写真4)
(写真4)
(写真5)
(写真5)

漢字が難しいのは、こちらも(写真3=姫新線)。これは仮に読めても私には書けません。兵庫県の播但線、姫新線にも難読駅が多く、漢字は難しくありませんが(写真4=播但線)も。また大阪市内には(写真5=東西線)が。ワープロ機能の発達で、私はこの手の文字が書けなくなりつつありますね。

(写真6)
(写真6)
(写真7)
(写真7)
(写真8)
(写真8)

また難読ではないのですが、どれをどう読むのか分からなくなってしまうケースも(写真6=近鉄道明寺線など)(写真7=東海道本線)(写真8=福知山線)。同じ文字ですが、まさに三者三様。すべて読みが異なります。最もありそうな「かしはら」がないのがミソ。

(写真9)
(写真9)

さて本来は難読なのに有名すぎて誰でも読める駅もあります。「神戸」なんて代表的でしょう。私は過去2人の「神戸」さんに会いましたが「ごうど」さんと「かんべ」さん。実際にそのように読む駅もありますが「こうべ」さんには1度も会ったことがありません。同様の意味では(写真9=赤穂線)。日本中、誰もが読めます。失礼な言い方になってしまうかもしれませんが、赤穂市は人口4万7000人の小さな都市。それを考えるとすごいことです。

(写真10)
(写真10)
(写真11)
(写真11)

ただ逆に有名すぎる場所があるため難読となってしまう(写真10=和歌山線御所駅)(写真11=山陽電鉄本線)もありますから、なかなか地名、駅名は奥が深いですね。

さて冒頭の答えですが、京福電鉄嵐山本線の「かたびらのつじ」です。嵐山観光で有名なこの路線は難読駅ぞろい。1回行っただけでは覚えられないでしょう。しかし、ここ帷子ノ辻にはテレビ「必殺シリーズ」の撮影所があります。お隣の太秦(以前の駅名)は、ご存じ東映の撮影所。仕事で何度も通ううちに読めるようになりました。

ちなみに北野線の乗換駅で重要駅。帷子とは裏地のない衣類のことらしく、古典に親しんでいる方は読めるようですが、私の教養ではとても無理です。毎回、車内放送を聞くので四条大宮~帷子ノ辻は「西院違い」(※)も含め、覚えられました。でも帷子ノ辻以遠は「車折神社」「鹿王院」。今もたまに「う~ん」となります。【高木茂久】

※阪急京都本線と京福には、ともに「西院」駅があり、乗り換えもできるが、阪急は「さいいん」、京福は「さい」と読む。