湖面がキラキラと夏の太陽を反射していた。東京を朝10時3分発の「ひかり」。11時半には浜松駅に着いた。意外に近い。そう、そしてここは浜名湖-。暑い日差しのもと、新しい湖上アクティビティー「フライボード」が空に舞った。
「わぁ~、何だ? これは、すごいわ」
湖水の中から、空に向かって、高く高く飛び出した巨大なウミヘビ?…。いや、それは人間だった。両足を固定したスノボのような一枚板、いや靴。その下から水が逆噴射して、若いイケメンのお兄さんが、いきなり青空の中に飛びだしてきたのだ。
板の下の太いホースが水上バイクとつないである。アクセルを吹かせば吹かすほど、「フライボード」は高く飛ぶのか。10メートル、いやもっと飛んでいる。青空を背景に自在に飛び、何度も空中回転してみせた。
「小学生から体験できますよ。怖がって体をカチカチにしないのがコツかな」と先ほどの演技を見せてくれたインストラクター。勇敢な女性陣が湖水に靴を付けて入っていく。まずは、うつぶせ状態で湖面に浮かぶ。足元からブクブクと水が。
「そのまま、ゆっくり立ち上がる感覚で…」。湖面を手で抑えるように立とうとするが、そう簡単には立てない。2回、3回とトライするうちに、アラ、アラ、みなさん、なんとか立っていく。
水上に出ている手でバランスを取りながら、さらに噴射が強くなると、アララ…、早くも空中へ。2秒、3秒でバシャッと沈没するが、「キャァ~、最高! おもしろい」。
15分ほどやれば、ほとんどの人が、少しだが空中に浮かぶことができていた。
「最高でした。水の中に落ちても痛くない。またやりたい。最初は怖かったけど平気、平気! 今度は、おじさんも。怖がってないで、やってみなさいよ」
いやぁ~、おじさんは、無理。もう少し若ければ…、それでも無理かぁ…。【馬場龍彦】
■世界一大きな般若心経
浜松市内に戻って、臨済宗の龍雲寺へ。ここは、今、「世界一大きな般若心経」のあるお寺として有名だ。100畳ある大広間の壁に、縦4メートル、横16メートルの般若心経が張り出され飾られている。ダウン症の天才書家として知られる金沢翔子さん(34)の書である。「金沢さんが書き上げるのに約2カ月かかった。純粋な心で書かれたからこそ、見るものを圧倒するのです」。金沢さんのひたむきに生きる姿勢が伝わってくるからこそ圧倒されるのだろう。この秋、11月2~10日まで金沢さんの書展が龍雲寺で開かれる。入場無料。