「美人林」なんて、すごい名前だなと思っていたら、本当に美人さんだった。


新潟県十日町市の美人林
新潟県十日町市の美人林

 雪深い新潟・十日町。樹齢100年近いというブナの木々が、凜として立ち並ぶ姿はまさしく「美人」。駐車場から歩いてすぐの森の中は、他とは明らかに空気が違うように感じる。この日は曇り空で、時折雲の隙間から太陽が見えていた。雲に隠れた日光が、ブナの木々にも隠される。二重のフィルターが、幻想的な明るさを作り出していた。


美人林に差し込む木漏れ日が美しい
美人林に差し込む木漏れ日が美しい

 昭和初期に一度伐採され、この一帯は裸の土地に。そこから一斉に新しいブナが芽生えたため、全てのブナがほぼ同時に成長し、これだけ美しい風景になったという。マイナスイオンにあふれる美人林は、深呼吸にもってこい。森に少し冷やされた濃厚な酸素を、思い切り体に吸い込む。静けさもちょっとした調味料。実にぜいたくだ。


池にもブナの木々が投影され幻想的に
池にもブナの木々が投影され幻想的に

 黄色く色づく秋も、白く染まる冬も、それは見事な景観だという。四季の装いに身を包む美人林は、1度訪れるだけではもったいない。再訪を誓って、後にした。美人林の割と近くに、新潟の絶景がもう1つある。路肩を草で覆われた低い峠を越えていく。新潟県の内陸、特に中越地区にはこういう道が多い気がする。


すれ違うのが難しい峠道を抜けて次の絶景へ
すれ違うのが難しい峠道を抜けて次の絶景へ

 到着したのは、同じ十日町市にある星峠の棚田。全国に数ある棚田の中でも、知名度はトップ5には入るだろう。大小約200枚の棚田が斜面に広がる。NHK大河ドラマ「天地人」のオープニング映像としても使われた景観だ。訪れたのは8月下旬。すくすく成育しているのはコシヒカリなのだろうか。田んぼは緑に覆われている。


星峠の棚田をパノラマ撮影で
星峠の棚田をパノラマ撮影で

 撮影のベストシーズンは「6月下旬」と「9月中旬」とのこと。この時期は雲海の発生率が高く、特に明け方は神秘的な光景を見られると聞いた。田植え間もない6月は田んぼが「水鏡」となるため、特に幻想的な雰囲気に包まれるそうだ。


 美人林から星峠の棚田まで、車で30分かかるかどうか。これだけ距離が近いと、一気に2つ見たい。美人峠の紅葉は気になるが、その時期の棚田はもう稲刈り後。となると、やはり6月がベストか。十日町市内に宿泊し、日の出前に星峠へ。まだ空が暗ければ、水鏡の棚田に映る星々を見ることができるかもしれない。朝日が昇り、雲海に包まれる棚田に感動したら、美人林へ向かい朝のマイナスイオンをたっぷり浴びる―。どこかで魚沼産コシヒカリの朝食をいただければ、身も心の大満足!のはずだ。【金子真仁】


「美人林」や「星峠の棚田」へ行くには?

 夜明け前から日の出後までの数時間が一番ドラマチックとされる「星峠の棚田」は、私有地で駐車場も少ないので、基本的には車中泊は難しそう。北の柏崎市、西の上越市とも主要道はつながっていますが、未明時間帯のアクセスは決して良くないので、近隣の松代(まつしろ)地区を中心に十日町市内に宿をとって向かうのがオススメ。住所は新潟県十日町市峠付近。「美人林」の住所は十日町市松之山松口1712。


Wonderful View No.67 "The Beauty forest"

The Beauty forest is one of the photography points to represent Niigata-ken. After it was felled at a stretch 90 years ago, the beeches which grew all at once again became the very beautiful standing. "Tanada of the star Pass”is famous near the Beauty forest, too.

[DATA]

Address: 1712, Matsunoyama-matsukuchi, Tokamachi-shi, Niigata-ken

Access: About thirty minutes drive from central Tokamachi

Parking: For about 30 cars