福井県を代表する観光地・東尋坊へは3度行き、いずれも滞在時間が短かった。東北の方々と団体旅行で訪れたときは如実だった。「三陸のほうがすごいじゃん」「そうだね」との感想が瞬時に飛び交い、まさかの滞在5分間でUターン。写真で振り返ると実に迫力のある場所なのだが、現地に立つとそこまで感じない。なぜだろう。旅の不思議だ。


日本一有名な崖っぷち・東尋坊
日本一有名な崖っぷち・東尋坊

 3度目も10分で東尋坊を離れ、近くの三国港へ向かってみた。東尋坊へ訪れる際は、この三国港駅が拠点になる。駅名の読み方は「みくにみなと」。どこか大正ロマンを感じる駅舎の入口には「三國港驛」と旧字体で書かれた看板がある。実際に大正時代から貨物駅として稼働していたそうだ。現在では福井駅から出発する「えちぜん鉄道・三国芦原線」の終着駅になっている。


えちぜん鉄道の三国港駅
えちぜん鉄道の三国港駅

 三国港駅のホームに入る直前、線路はカーブを描き、レンガ造りの眼鏡橋をくぐる。鉄道写真ファンの間では有名な場所のようだ。駅舎の反対側に駐車し、カメラを準備して電車の到着を待つ。するとホームから女性の声がした。「あと10分くらいで電車が入ってきますよ~!」。女性の駅員さんだった。利用客でもないのに、わざわざ教えてくれる。愛がある。いつか乗ってみたくなる。一期一会の心づかいは旅の醍醐味だ。


三国港駅の手前にあるレンガ造りの眼鏡橋
三国港駅の手前にあるレンガ造りの眼鏡橋

 予告通り、10分後に踏切の音が聞こえた。線路からも音が響いてくる。やがて白い車体に青いボーダー柄が入った先頭車両がやって来た。カーブを曲がり、車体をわずかに傾けながら、眼鏡橋をくぐり、ひょこっと顔を出す。どこかかわいらしい。トンネルではなく、生活道路をくぐっている感じがまたいい。眼鏡橋は国の文化財でもあるという。鉄道ファンに人気が高いのもうなずけるロケーションだ。


眼鏡橋をくぐるえちぜん鉄道の車両
眼鏡橋をくぐるえちぜん鉄道の車両

 福井市街地から田園地帯を駆けてきた列車は、ここで約50分の旅を終える。かすかに海の香りがするホームへと降りる乗客1人ひとりに、先ほどの女性駅員さんが笑顔で声をかける。もしかして駅長さんだったのだろうか。どちらかというと暗いイメージが強い東尋坊。でもその玄関口は、どこか昔懐かしく、温かみがあった。4度目は、電車で来よう。【金子真仁】



「三国港駅」へ行くには?

 JR福井駅から「えちぜん鉄道・三国芦原(みくにあわら)線」に乗り換え、約50分ほどで終点の三国港駅に着きます。東尋坊へは三国港駅から2キロほど。歩いて向かえる距離です。車で訪れる場合は北陸自動車道の金津IC、または加賀ICからいずれも20~30分ほど。距離はありますが加賀ICからのほうが道は比較的シンプルです。。


Wonderful View No.80 “Megane bridge of Mikuniminato station”

Tojinbo of Fukui is a beauty spot of the cliff on behalf of Japan. A popular spot

is at Mikuniminato Station of the neighborhood. A brick bridge is built next to a station. The train which passes through the tunnel, and appears is lovely. A station staffs are very friendly, too.


[DATA]

Address: 23, Shuku, Mikuni-cho, Sakai-shi, Fukui-ken

Access: About 50minutes by Echizen railway from Fukui station

Parking: For several cars