安来(やすぎ)市は、島根県の東端にある。市の北側は中海に面し、隣は鳥取・米子市。全国的に有名なのは、どじょうすくい踊りの安来節だ。市街地より少し内陸に入った安来節演芸館では連日、本場の踊りを楽しむことができるという。私の目的地はその演芸館からさらに300メートルほど山側に進む。開館の30分前には、もう4台の観光バスが到着していて驚いた。


足立美術館は開館前から観光バスが並ぶ
足立美術館は開館前から観光バスが並ぶ

 足立美術館は、絶景ブームが起きてから注目度が増している。5万坪に及ぶ日本庭園は、世界も認めている。米誌が行った日本庭園ランキングで、03年から17年まで15年連続で日本一に輝くなど、他の追随を許していない。フランスの旅行ガイドでも三つ星を獲得。年間60万人以上が訪れているという。


 地元の実業家・足立全康氏が1970年に開館した。横山大観の作品が多く、質量とも日本一とされている。全康氏の「庭園もまた一幅の絵画である」という言葉どおり、きめ細かく手入れをされた庭園が、今や絵画よりも有名になり、多くの観光客を呼んでいる。かくいう私も、その1人。


枯山水庭の庭園を指さす足立全康氏の銅像
枯山水庭の庭園を指さす足立全康氏の銅像

 開館時間の10分前には入場できた。朝一番から団体客が多く、滞留はまずいのだろう。実は私、観光バス群より早く、開館45分前には駐車場に着いていた。一番乗りで並んでおけば良かった。人波がすごく、撮影場所に苦慮した。おそらく最も有名な白砂青松庭の前に来た。せめて1分は撮影に没頭したかったが、背後のプレッシャーを感じ、そそくさと退散。ゆったりとした時の流れを感じるべき場所で、どこかせせこましい。


「ザ・足立美術館」の風景・白砂青松庭
「ザ・足立美術館」の風景・白砂青松庭

 だから、人々が割とスルーしていくこじんまりした中庭がなんだか落ち着くし、愛らしく感じた。こういったところまでしっかり作り込まれているのは、美術に疎い私の琴線にも響いてくる。さすが長い間、日本一と呼ばれているだけのことはある。


こじんまりした中庭が愛らしい
こじんまりした中庭が愛らしい

 中庭の奥に、全康氏の生家が残されている。床の間の壁をくりぬいた「生の掛軸」や「生の衝立」が人気だ。白砂青松庭の風景を、まるで飾られた掛け軸のように楽しむことができる…らしい、本来は。既述の通り、朝一番なのに人がわんさか。掛け軸や衝立の向こうに見えるのは白砂青松庭ではなく、それを楽しむ団体客の姿である。ちゃんと並んでおけば良かった、とまたしても後悔である。


生の衝立。人がいなければ絶景
生の衝立。人がいなければ絶景

 一般的には「2時間以上がおすすめ」といわれる足立美術館の滞在時間。20分少々で退館してしまった私は、もしや最短記録を作ってしまっていないか。日本画への興味が極めて薄い私は、横山大観の世界を完全にスルーしてしまい、どこか申し訳ない気持ちにもなった。とはいえ、1時間少々の滞在でもそこそこ満喫できる場所。混雑前に足立美術館を見学し、どじょうすくい踊りへ流れていくのが、安来観光の王道なのだろう。【金子真仁】


白砂青松庭には次々と観光客が訪れていた
白砂青松庭には次々と観光客が訪れていた

「足立美術館」へ行くには?

 車では山陰自動車道・安来ICより約10分。JR山陰本線の安来駅からは無料のシャトルバスも出ているようです(所要時間約20分)。空の便ならば米子鬼太郎空港が最寄り。空港から車で50分前後かと思います。


Wonderful View No.93 “Adachi Museum of Art”

Tourists more than 600,000 a year come in Adachi Museum. The guests of the foreigner

increase rapidly recently, too. The Japanese garden which is appreciated from the foreign countries is one of the highlight of the Adachi Museum.


[DATA]

Parking Address: 320, Furukawa-cho, Yasugi-shi, Shimane-ken

Access: About 10 minutes by drive from Yasugi IC, San-in expressway

Parking: For about 400 cars