2016年12月31日、早朝5時20分。島根・出雲市を出発した。観光地をいくつか巡った上で、大みそかの夕日を本州最西端で眺めたい。逆算すると、この時間の出発になった。出雲の住宅街を進む。街灯が青い。初めて見た。聞くと、防犯効果があるのだという。青色が心を鎮めるのか。その後、奈良県桜井市でも同じ光景を見た。


青い街灯が光る未明の出雲市内
青い街灯が光る未明の出雲市内

 島根県は、出雲から西が長い。山口県との県境まで120キロ以上ある。高速道路はまだ部分開通。国道は割と海沿いのはずなのに、あまり海は見えない。アップダウンも地味に多い。自転車日本一周した若者が「島根県、結構きつかったです」と言っていたが、運転するとその気持ちが分かる。ゆっくり探せばいい場所もあるのだろう。ただ、ゆっくり探せないほど、島根県は横に広い。出雲から萩は移動だけに集中する旅人が多いようだ。


 山口県に入ると、ガードレールがみかん色になる。1963年の山口国体の時に特産の夏みかんを表現するために塗られたのだそう。県境から10数キロ走ると「須佐」という街に着く。日本神話に登場するスサノオノミコトゆかりの地だったりするのだろうか。国道を離れ、入り組んだ須佐の港でハンドルをくねらせる。


山口県内のガードレールは大半が夏みかん色
山口県内のガードレールは大半が夏みかん色

 日本海を見下ろす高台に着いた。駐車場の柵から乗り出すと、目的の場所が見えた。大みそかの朝8時半、岸壁へ下りる。北側に面したこの岸壁は、まだ日陰だ。海風も吹いてくる。なかなか寒い。


山口・萩の名物岸壁を高台から眺める
山口・萩の名物岸壁を高台から眺める

 岸壁に着いた。気を抜くと足が滑りそうで、気を抜くと波がかかりそう。細心の注意を払いながら、絶景に近づいた。須佐ホルンフェルスだ。灰白色と黒色の縞模様が独特で、美しい。約1500万年前にマグマの影響を受けて作られたという変成岩の層。割ると角ばった形になることから、ドイツ語で「角石」を意味するホルンフェルスと呼ばれている。


白黒の地層が珍しい須佐ホルンフェルス
白黒の地層が珍しい須佐ホルンフェルス

 訪れる時間が早すぎた。もう少し日が差してから訪れれば、白黒の互層と日本海ブルーが、より美しく見えたはずだ。正午前後がオススメなのかもしれない。光の入れ方が難しいので、ミニチュア風で撮影してみた。これが一番、実像に近い色合いだった。それにしても見事な縞模様である。高さは15メートルある。


須佐ホルンフェルスをミニチュア風で撮影
須佐ホルンフェルスをミニチュア風で撮影

 須佐ホルンフェルスの岸壁からは遠くに大きな島が見える。地理的に壱岐でもないし、対馬でもない。幼少期から日本地図を読み込んできた私も知らなかった島は、見島というらしい。17年の衆院選では台風で投票箱が届かなかったことで話題になった、周囲8キロほどの島だ。萩から長門にかけては、瀬戸内海ほどまではいかずとも、有人島がたくさんあった。絶景の穴場な予感がした。【金子真仁】


「須佐ホルンフェルス」へ行くには?

 車では中国自動車道・美祢東ICから1時間半ほど。島根・出雲からは小休憩込みで3時間少々かかります。電車ならJR山陰本線・須佐駅が最寄り。そこからタクシーで10分少々。住所は萩市ですが、萩市街地からは30キロ前後離れているので、車がオススメです。


Wonderful View No.97 “The Susa Hornfels”

The Susa Hornfels is a sightseeing spot at the west end of the north of Yamaguchi.

The stratum where black and white made under the influence of magma is characteristic.

Because it becomes the form that was square-built when broken, we call it a hornfels in German.


[DATA]

Address: Susa-takayama, Hagi-shi, Yamaguchi-ken

Access: About 90 minutes by drive from Mine-higashi IC, Chugoku expressway

Parking: For about 20 cars