第100回全国高校野球選手権大会の決勝が8月21日に行われ、大阪桐蔭(北大阪)が勝利。史上初となる2度目の春夏甲子園連覇を果たした。敗れたものの、東北初優勝をかけて戦った金足農(秋田)の躍進で、秋田は大いに盛り上がった。決勝当日の秋田県内の様子を写真で振り返る。


 ◆日本航空が大阪・伊丹への臨時便就航を決定。前日の発表にもかかわらず、80人以上が搭乗した。金足農野球部OBの31歳男性は、この日早朝5時30分に起床後、すぐに航空券を予約。「会社には明日休みます、と伝えていました。妻も後押ししてくれたので、思い切って応援に行くことにしました」。9時7分の離陸前には、空港職員9名(空港ナイン?)が、臨時便「金農ジェット」に手を振り見送った。なお、10名近いお客さんが、売店で日刊スポーツを買って搭乗。感謝、感謝。


「金農ジェット」を見送る「空港ナイン」
「金農ジェット」を見送る「空港ナイン」

 ◆秋田駅前の「プラザなかいち」では連日、パブリックビューイングが行われ、この日も試合開始4時間以上前から会場設営を待機するファンがいた。そのPV会場のすぐ北側にあるのが名所・千秋公園。お濠にはハスの花が咲き誇り、美しかった。赤と黄色のパラソルのところには、秋田名物・ババヘラアイス売りのおばちゃんがいる。


千秋公園のお濠で咲き誇るピンクのハスの花
千秋公園のお濠で咲き誇るピンクのハスの花

 ◆試合開始。私のこの日の主要任務は試合後の号外配布。ただ、ボーッと試合を見ていても仕方ない。エース吉田輝星投手の地元・潟上市をあてもなく走る。広大な農地ながら、農作業をしている人はほとんどいない。1組だけいたので、声をかける。「さっきまでみんないたのに、テレビで甲子園見たいからって、みんな帰っちゃったよ」と59歳男性。台風接近を前に、どうしても広大な大豆畑に除草剤を散布しなければならなかったそう。試合は録画し、仕事中はカーラジオ。先制を許した実況アナウンサーの声が聞こえてきた。


潟上市内での畑への除草剤散布をする皆さん
潟上市内での畑への除草剤散布をする皆さん

 ◆カーラジオを付けっぱなしで交通整理の仕事をしている人もいる。どんどん追加点を許し、切ない。街に人影はない。みんなテレビを見ているのだろう。潟上市内から、有名な干拓地「八郎潟」へ移動。とにかく広大な田園地帯だ。2時間走り回ったのに、農作業をしている人が1人もいなくて驚いた。8月にも水の管理や除草など農作業はあるはずだ。金足農ナインは、広大な八郎潟からも人影を消したのだ。360度、どこにも人影がない八郎潟は絶景そのものだった。


広大すぎる八郎潟なのに全く人影がない
広大すぎる八郎潟なのに全く人影がない

 ◆実は八郎潟で、テレビやラジオを付けながら農作業している「田ブリックビューイング」の皆さんを探していた。誰もいないので、秋田駅へ戻る。その道中で渋滞に巻き込まれ、試合終了を迎えた。JR秋田駅へ着いて打ち合わせ、取材後に、号外発行の準備などで金足農方面へとんぼ返り。秋田駅周辺から郊外へ戻る車が多いようで、大渋滞。コンビニで休憩して店を出たら、とんでもなく赤く、美しい夕日が現れていた。思わず撮影した。


金足農と秋田県民をねぎらうかのような秋田の夕日
金足農と秋田県民をねぎらうかのような秋田の夕日

 ◆せっかくの美しさなので、海も見たい。金足農の校舎からもそう遠くない「秋田マリーナ」から、日本海へ沈む夕日を眺めた。決勝戦終了後には甲子園球場に虹が現れたそうだが、この夕日も金足農ナイン、そして応援した秋田の人々をねぎらっているかのような美しさだった。【金子真仁】


秋田マリーナ近くから眺めた夕日
秋田マリーナ近くから眺めた夕日