今回は東海、北陸地方の絶景をまとめる。


福井県の絶景

全国的に有名な東尋坊、カーブを描く独特な三国港突堤(ともに坂井市)、空からリフトで見下ろせる三方五湖(若狭町)などの景勝地はあるものの、全国レベルで考えると少々物足りない印象か。雲海の発生で「天空の城」になる越前大野城(大野市)も、冬の早朝に出かけるには、遭遇確率的に推しきれない。絶景までとはいかないものの、修行僧たちが暮らす永平寺(永平寺町)の独特の張り詰めた空気は、現代では貴重な場所といえる。


堤防の左右で海の表情がまるで違う三国港突堤
堤防の左右で海の表情がまるで違う三国港突堤

石川県の絶景

千里浜なぎさドライブウェイ(羽咋市、宝達志水町)は今や、兼六園(金沢市)に匹敵するほどの、石川県を代表する観光地になった。日本で唯一、地球上でも数少ないという「車を運転できる砂浜」の付加価値が、千里浜を「絶景」に引き上げている。夕暮れに波打ち際ぎりぎりを運転すると、その魅力を最大限に感じられる。その千里浜を付け根に、能登半島に絶景が多い。白米千枚田(輪島市)は国内屈指のスケールを誇る美しい棚田だ。


千里浜には羽咋から入り、南下するのがおすすめ
千里浜には羽咋から入り、南下するのがおすすめ

富山県の絶景

 雨晴海岸(高岡市)は日本で最も美しい海岸の1つ。冬の早朝に限れば、日本一だろう。朝日でオレンジ色に照らされる女岩の周りを、海面から発生する気嵐が幻想的に演出する。雲がなければ、遠く立山連峰もくっきりと。「海越しの3000メートル級の山々」を見られる世界中でも稀少な場所だ。朝日が雨晴海岸なら、夕日は砺波の散居村(砺波市)。広大な田んぼの海に家々が島のように点在する景色は、水が張る時期にはなお美しい。


気嵐が発生し幻想的な雰囲気になる雨晴海岸
気嵐が発生し幻想的な雰囲気になる雨晴海岸

新潟県の絶景

壮大なスケールの大野亀をはじめ、佐渡島の特に北西側はドライブしがいのある景観が続くものの、渡航費用を考えると気軽に行けないのが残念。神秘的な美人林(十日町市)を除くと、広い面積の割には全国クラスの絶景は少ないかもしれない。ドライブの楽しさでいくと、福島・只見から魚沼に抜ける国道252号線の高度感はなかなかのもの。最近では清津峡渓谷トンネル(南魚沼市)が新・絶景ポイントとして一気に人気を高めている。


木漏れ日が美人林をより幻想的に見せる
木漏れ日が美人林をより幻想的に見せる

三重県の絶景

四日市コンビナート(四日市市)の工場夜景は一見の価値あり。煌びやかな光に対し、静寂のギャップが良い。時折聞こえる機械の作動音もいいアクセントだ。人気の港湾地区はもとより、JR南四日市駅付近にも工場夜景が広がる。かたや大自然を感じる絶景が、鬼ヶ城(熊野市)だ。気が遠くなる歳月を要し、波に削られ洞窟ができ、地震の隆起で特異な地形が岸壁に浮き上がった。断崖絶壁に遊歩道があり、ちょっとした冒険気分になる。


熊野を代表する絶景「鬼ケ城」の千畳敷
熊野を代表する絶景「鬼ケ城」の千畳敷

岐阜県の絶景

モネの池(関市)、白川郷(白川村)の両巨塔の陰に隠れているものの、養老天命反転地(養老町)は見逃せないスポットだ。すり鉢状の土地の中にあるのは、垂直と平行がほぼ排除されたフィールドと設置物。歩いていると自然と平衡感覚が失われていく唯一無二、独特の屋外ミュージアムだ。地味ながらオススメしたいのが、国営木曽三川公園(海津市)の展望台。小学校で習った輪中地帯(川より低い田園地帯)を一望することができる。

 

平衡感覚が失われる養老天命反転地
平衡感覚が失われる養老天命反転地

愛知県の絶景

知多半島の野間灯台つぶて浦(ともに美浜町)など好スポットはあるものの、いまだ全国級の絶景に巡りあえず。名古屋港湾部にある赤、白、青の高速道路3連橋・名港トリトン(名古屋市)は時間帯、撮影地によっては良い写真が撮れそうな気配はある。他にはない景観としては、聚楽園の大仏(東海市)が面白い。座高約19メートル。近所の高台からズーム撮影すると、大仏の巨顔の奥に名古屋の高層ビル群が並ぶ面白い1枚を撮れる。

 

高層ビル群との遠近感が面白い聚楽園の大仏
高層ビル群との遠近感が面白い聚楽園の大仏

静岡県の絶景

東西に広い県土に絶景が点在し、全国レベルは特に大井川流域と南伊豆に集中する。大井川流域では、茶畑の急斜面から眺める島田市の風景が美しい。上流の川根地区では夢の吊橋奥大井湖上駅(ともに川根本町)などが人気の絶景だ。南伊豆では「東洋のコートダジュール」と呼ばれる岩地海岸(松崎町)がインパクト大。家々の屋根が鮮やかに塗られている。奥石廊崎ユウスゲ公園(南伊豆町)の景観のスケールの大きさには鳥肌が立つ。【金子真仁】


リアス式の海岸美が見事なユウスゲ公園
リアス式の海岸美が見事なユウスゲ公園