暦は3月に入り、その絶景の「旬」は終わったとされていた。無駄足の可能性は高い。一方、北海道はそう気軽に訪問できる場所ではない。早朝4時半に目覚め、5時に帯広のホテルを出発。1時間かけて、十勝川河口の豊頃町・大津海岸へやって来た。寒い、眠い。


拝みたいのは氷の絶景。でも気温5度、高すぎる。普段は嫌だけれど、この日ばかりはむしろ氷点下を求めていた。絶望的か。とりあえず波打ち際を歩いた。良かった。1個あった。1個もないと思っていたから、もう安心だ。来た甲斐があった。砂浜に転がる透き通った氷のかたまりは話題の絶景・ジュエリーアイスである。


北海道の冬の新絶景・ジュエリーアイス
北海道の冬の新絶景・ジュエリーアイス

日本屈指の寒冷地・十勝。中心を貫く十勝川が凍ることもある。その氷が海に流れ、波にもまれると、角が取れてまるで宝石のように透き通る。そして再び陸地に漂着する-。これがジュエリーアイスの正体だ。つまり河口近くのほうが多く漂着しているのだろうか。より河口に近い東側へ歩く。もう、すごかった。


十勝川河口付近には大量のジュエリーアイスが漂着
十勝川河口付近には大量のジュエリーアイスが漂着

朝日に照らされ波間を漂うジュエリーアイス
朝日に照らされ波間を漂うジュエリーアイス

サイズも色々、数多のジュエリーが砂浜に
サイズも色々、数多のジュエリーが砂浜に

角が取られた氷は自然と芸術的な形になっている
角が取られた氷は自然と芸術的な形になっている

常連らしいカメラマンが「こんなに数が多い日、シーズン終盤ではなかなかないよ」と興奮していた。氷点下だからといって、必ずしも漂着するわけではないという。自然の気まぐれ、奇跡の絶景。寒さ一切気にならず、ひたすらシャッター押すばかり。宝石の名に偽りはなかった。【金子真仁】


どうやったらこんな美しい形になるのだろう
どうやったらこんな美しい形になるのだろう