東京・三宅島で5月31日、第2回3会合同磯釣り大会が実施された。荒天のため参加37人は渡船を断念し、地磯決戦となった。釣れた全魚種の1匹の重量勝負で、正鱗(せいりん)クラブの河田透さん(55=市川市)が2・8キロ(50・5センチ)のイシガキダイを釣り上げて2連覇した。

 河田さんが参加者全員から「ブー」と祝福され、連覇を遂げた。三宅島の大物名所、三本ヤリには荒天で参加37人は渡れず、午前7時ごろから地磯組に合流した。河田さんも合流組で、坪田港でサオを出した。

 河田さん 最初から反応があって、内心「いける」と思った。狙い通りです。

 イメージ通りの釣りができた。カニを半分に割って、放り込み、すべて残っていなかった。ただ、食いが微細だったので、カニの大きさを少しずつ小さくして、ハリに掛かるように「誘い」を掛けた。6投目の終了の30分前の午前10時半ごろ、2・8キロをヒットさせ、見事に取りこんだ。

 河田さん 2連覇できて、うれしいです。来年ですか? いっちゃうか!

 三宅島では歴史のある3つのクラブ「東京磯釣倶楽部」「竜宮会」「正鱗クラブ」が手を組んで「三宅島でデカい魚がいることを見せてやろう」と昨年から大会を始めた。イシモノだけではなく、上モノも対象で、1匹の重量で勝負する。

 準優勝はメジナ42・5センチ(1・24キロ)を伊豆下で釣り上げた東京磯釣倶楽部、原孝さん(52=清瀬市)だった。ヘラブナ歴16年だったが、テレビでメジナ釣りを見て5年前に転向した。

 原さん ヘラをやっていてよかった。アタリの取り方、外道のエサ取りをかいくぐって本命を釣り上げる点は基本は同じ。メジナで成績が残せてよかった。

 池田民夫さん(60=練馬区、東京磯釣倶楽部)は1・24キロのイシガキダイを釣り上げたが、全長が39センチだったため3位だった。原さんと同じ伊豆下に陣取ってゲットした。

 今季は三宅島らしい大物も釣れている。3月29日、三本ヤリのマカドテラスに入った東京磯釣倶楽部の樋口仁郎さんが6・45キロ(74・5センチ)のイシガキダイをキャッチしている。

 樋口さん 朝9時半ごろにようやくアタリが出てきたけど、カニがもう残りすくなかった。最後はカニの足を集めてしばって放り込んだらガツン。どんな状況でもあきらめるな、ということですね。

 三宅島のでっかい魚は間違いなくいる。最後まで信じて粘った釣り師に軍配が上がりそうだ。三宅島のあふれる自然を満喫してみませんか?【寺沢卓】

 ▼宿 三宅島「共栄丸」【電話】04994・5・0660。渡船は電話で要確認。宿泊は2食付きで2人以下は8500円、3人以上は8000円。休憩は1人2000円。三宅島までは、東京・竹芝埠頭(ふとう)からフェリー、または調布から飛行機。