“アニキ”こと俳優哀川翔(55)の大好きな釣りはアジ。関東ではアジキングとも称される千葉・金谷沖の「金アジ」を狙った。朝日に輝く魚体はキラキラの金色で、地名もあって金アジと呼ばれる。挑戦した日は食いが悪かったが、最後にドラマが待っていた。

 カワハギ以来だな、金谷。ここの「光進丸」の岡沢裕治船長は肝が据わっていてサービス心も旺盛で、お客のことを考えてるよな。朝からの釣り方講座もキレのいい動きで分かりやすくて、楽しいね。「釣りに行こうぜ」という気持ちに火をつけてくれるぜ。

 釣り場は港から出て10分前後。水深20メートル前後だ。オレはサバからスタート。これがまたでっぷりしていて、うまそう。ところが、だ。アジが釣れない。裕治船長も走り回って、ポイントを探ってくれているが、なかなか手応えがない。

 この日は潮が澄んでいた。透明度があって、しかも雨もしばらく降っていなかったころだ。透明度が高ければアジだって仕掛けを認識して警戒心が強まる。雨が少なければ、海の水が動かずに海中の酸素が欠乏する。アジの活性の鈍さは、こんなことも理由になるんだろうが、仕方ないんだよ。自然が相手なんだから。

 開始から1時間半ほどでアジがきた。底からちょうど2メートルだった。その後も同じタナ(魚の泳層)でポツリポツリと釣れる。タナから外れないように、この日は置きザオにして、船の揺れだけで誘った。すると、ボチボチ食ってくれる。こういう釣りも悪くない。

 仲間5人と中学生釣り師で子役の佐野代吉と一緒に乗って、代吉が途中から連発した。いい釣り人になるな、代吉は。オレのサオが静かなまんまだったけど、最後のひと流しでガンガン乗ってきた。一気に15匹を釣り上げて、なんとか20匹を超えられた。

 釣りはどこかにチャンスがある。いつでも対応できる準備をしておけばいい。あきらめたらダメだぞ。金谷のアジ、今は早朝カマスとセットだという。こりゃ、また来なくちゃ、いけないじゃないか。

 ▼宿 金谷「光進丸」【電話】0439・87・4137。LTアジとウイリー五目は3日からカマス釣りからのリレー船に。出船午前5時ともに8500円(ウイリーは付けエサのオキアミは別)。LTアジは、土日祝日のみ午後1時30分出船の午後船あり。エサ、コマセ、氷付きで6000円。14~16日は盆休みで休業。