日本で一番おいしいのは、東京湾のアジだ! そう、今年、東京湾では、大人気魚種のアジがサイズもよく、さらに数も稼いでいる。本当によく釣れる、本当にむちゃくちゃおいしい。そこで、今釣れるアジをおすしにしてバクリといただいてみた。江戸前の角の立ったきれいなアジをご賞味いただきましょう!

 「オレね、釣りではアジが最高に大好きなの。で、いろんなところのアジを釣って食ったけど、東京湾が1番だよ。日本で一番おいしいアジは東京湾だね」

 こう断言するのは“アニキ”こと俳優哀川翔(55)だ。その東京湾のアジが今、各ポイントで連日大釣りしている。

 釣り方は簡単で難しい。ナゾときでも何でもない。アジ釣りは「ビシ」と呼ばれる金属などでできたカゴにイワシのコマセを入れて、海中で拡散させて、アオイソメや赤タン(イカを赤く染めて小さいサイコロ状にしたもの)をハリに刺して、アジを食わせる。

 このイワシのコマセを海底近くで振りながらリールで約2メートル上げる。道糸には1メートルごとのマーカーが付いているので、その糸の長さを見て、きっちり2メートル上げる。その動きだけで、間違いなくアジは釣れる。これが「アジ釣りの簡単」。

 では「難しい」は何だ?

 タナ(魚の泳ぐ層)が少しずつずれて、アジのいない場所で待ち続けているからだろう。

 アジは残念ながらタナが50センチ上下で離れてしまうと、食わない。人間は機械ではないので、タナは狂ってしまう。釣りの途中で、もう1度着底させて、きっちり2メートルを上げてみるといい。不思議なもので、1度仕切り直して、新たにタナをきちんと取ると、ちゃんと釣れる。釣れないときほど慎重に、慎重に。

 アジは口部分の皮が柔らかくて、薄い。ハリガカリした時にアジ自ら暴れて、自分の口を破ってでも逃げようとする。その場合、片天ビンと仕掛けの間に幅の広くて長い輪ゴムをクッションゴムの代わりにつける。アジが暴れても輪ゴムの威力もあって、比較的アジがバレも少なくなる。

 タナをコマメに修正して、じゃんじゃん東京湾のおいしいアジを釣ってくださいね。

 釣れたての魚をちゃんと扱ってくれる店は多いわけじゃない。そんな中、夕方5時~朝5時まで12時間営業している目黒「寿し ながもと」は、釣ったばかりの魚をおいしく握ってくれる。アジを釣った木村さんとNORIと一緒に訪れた。さっそく大将がさばいて、すしにしてくれた。

 「このすしは絶品だね。魚はシメてから、数日冷蔵保存した方がうまい、と言われているけれど、そんなことはない。おそらく、時期的にもアジの脂乗りが最高のタイミングにぶつかったのでしょう」と木村さんはニコニコ顔だ。

 おいしいアジのすしを食べたいなら「寿し ながもと」【電話】03・3779・7741。ご賞味あれ。

 ▼宿 最近の都内でささやかれる釣果、料金などの詳細は各宿で問い合わせてください。亀有「聡丸」、川崎「つり幸」、山下橋「広島屋」、根岸「つり孝」、八景「太田屋」、新安浦「長谷川丸」。千葉県側では金谷「光進丸」、保田「村井丸」などで、ウワサの金アジが釣れますよ!