チーム(2人)でヘラブナの総重量を競う「2017年度がまかつへらぶなチーム対抗戦西日本大会」((株)がまかつ主催)が4月29日、滋賀・甲賀市の「甲南へらの池」で94組、188選手が参加して行われた。1、2回戦で6時間を戦い、浅ダナのセット釣りをした杉本智也選手(川口市)、今野正明選手(上尾市)組が計36キロを釣りあげ、2位の清丸勝正選手(枚方市)、源弘次選手(大阪市)組に1・9キロの僅差で逃げ切り見事、念願の初優勝を飾った。

 杉本、今野組がチームの力を発揮して、大混戦を制した。これまで、事前の情報に左右され「10位以内には数回入るが、最高でも2位止まり」。今回は周りにとらわれず、自分たちの得意な浅ダナの釣りに徹したことで勝利を呼び込んだ。

 第35回G杯ヘラ(愛知・ひだ池)の覇者でもある杉本選手にとっては特別な思い入れがあった。トーナメントの魅力、真剣勝負の面白さを知ったのがこの大会だった。それだけに、いつか優勝したいという思いが強く、これまでに西日本大会に3回、東日本大会には6回出場してきた。

 勝因となった2人の共通点は、ウキの戻りに出るアタリをとることだった。これが、この時期としては珍しく、魚が固まらずに、回遊してくるヘラブナの食いを効率良くとらえた。

 杉本選手は浮力のあるウキを使い、バラケをしっかりなじませてから、抜き、誘いもかけてアタリを引きだした。さらに、ラスト2時間で、タナを50センチから1メートルにすることで猛チャージ。今野選手も、タナにしっかりバラケを入れ、ウキが戻る際に最もアタリがでるようにハリスの長さを設定(45センチ)して食いを誘った。

 その結果「片方が特出した釣果をださなくても、どちらもが平均してまずまずの釣果をだせれば、必ず勝てる」という作戦が的中。念願の初優勝を飾った。

 ペア戦は「個人技もあれば、相棒が苦戦したら、なんとか助けたいと奮闘する信頼関係がすばらしい。次は11月に開催される東日本大会(埼玉・椎の木湖)でも優勝し、年間完全制覇を狙う」ときっぱり。2人のチーム力がさらなる栄冠を引き寄せる。【近江康輔】

 ◆杉本選手のエサ ▽バラケ 「粒戦」100「セットガン」100「とろスイミー」50に水200を入れ、5分吸水後、「セット専用バラケ」100「新B」100「軽麩」100を入れて、まぜ合わせ、最後に「軽さなぎ」25を加えたもの▽くわせ 「力玉」のサナギ漬け。

 ◆今野選手のエサ ▽バラケ 「粒戦」100「粒戦細粒」50「セットガン」100に水200を加え、吸水後、「セット専用バラケ」200「軽麩」100を加えてまぜ合わせたもの▽くわせ サナギ感嘆。数字の単位はcc。

 ◆杉本智也(すぎもと・ともや)1980年5月11日生まれ。川口市在住。会社員。ヘラ釣り歴15年。管理池全般へ釣行。コンテンポラリー・リーダース所属。「第35回G杯争奪全日本ヘラブナ釣り選手権」優勝。

 ◆今野正明(こんの・まさあき)1987年8月19日生まれ。上尾市在住。会社員。ヘラ釣り歴7年。ホームは武蔵の池。コンテンポラリー・リーダース所属。「2011年度がまかつへらぶなチーム対抗戦東日本大会」優勝(ペアは郷間俊宏選手・宇都宮市)。