「第16回サンラインカップ磯/三重紀東梶賀決勝大会」(主催・サンライン、後援・日刊スポーツほか、協賛・榎本渡船=日刊銀鱗倶楽部加盟店)が18日、三重・尾鷲市梶賀の磯で開催された。昨年11月から6月まで行われた予選を勝ち抜いた58人が参加し、35センチ以上のグレ1匹長寸を競った。優勝は43センチを仕留めた山口健三さん(堺市)で、同寸2位の前田吉紀さん(志摩市)に320グラムの重量差をつけて初優勝。主催者から賞金20万円と副賞、日刊スポーツほかから、トロフィーが贈られた。3位は井上悟さん(大阪市)が入った。

 「信じられない。感無量です」。山口さんがうれしそうに優勝トロフィーを掲げて大喜び。6回目の決勝大会挑戦で見事、初の栄冠をつかんだ。この日は小潮でグレの食いが渋く、ワンチャンスが勝敗を分けた。

 渡礁した磯はゴロタ石が点在する浅場の「エビレ」。勝因は、仕掛けをじわーっと沈めながら時折、ゆっくりと誘い上げたことだった。「これがきいた」。

 磯際を攻めた午前7時前、シモリに潜むグレを誘いだし、小さなアタリをキャッチ。大物に狙いを絞った3・5号の仕掛けでロッドのパワーにまかせて43センチを浮かせた。その後は本命アタリはなく、会心の1匹だった。

 釣行前、妻(麻利子さん)に「優勝なんて、無理無理」と言って出掛けてきた山口さん。「妻を驚かせたい」。この喜びが倍増するに違いない。賞金は「妻を温泉旅行に連れていきますわ」とにこやかに話した。

 梶賀の魅力は「グレのサイズが大きいこと。これからも通い続けて、連覇できるように頑張ります」。

 決勝大会へ向けての予選には前年を1000人も上回る約5000人が参加。梶賀の海が、大物釣り師のロマンをかきたてる。【近江康輔】

 【上位成績】<1>山口健三(堺市)43センチ(1500グラム)<2>前田吉紀(志摩市)43センチ(1180グラム)<3>井上悟(大阪市)42センチ<4>尾上浩康(松阪市)41センチ<5>池端克之(堺市)40・9センチ。同寸は重量で審査。※敬称略。