身がうまいことで知られ、人気が高い明石ブランドのマダコを狙おうと3日、兵庫・明石の林崎漁港から出る「小松乗合船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で明石沖へ出た。タコエギやスッテ、テンヤで底をたたいて誘うと小、中型がコンスタントに掛かり、朝一と昼頃の時合には2キロ超が3匹もヒット。全体で300グラム~2・5キロを3~25匹釣りあげた。ずっしりと竿に乗る、大型マダコの重量感ある手応えを楽しみ満足のいく釣行だった。

 朝一番から潮の流れが緩む時合を迎え、いきなりグッグッグー。腕を力強く引き込むアタリで、大型マダコが掛かった。ずっしりした手応えをキープしながら取り込んだのは足が太く、吸盤も大きな2キロ超。これぞ明石のブランドマダコ。貫禄のビッグサイズだった。

 底からオモリを上げないように小さく上下する誘いをかけていくと800グラムまでが、あちらこちらであがり、左舷の金川良一さん(明石市)も2キロ超をゲット。「重たかったわ。ズシンと竿に重みが乗るのがたまらないね」とにんまり。

 へ先では目測3キロの大物を海面直下でばらした常連の山本浩さん(加古川)が「もう少しだったのに…」と悔しがる。大型が掛かったのは全てエギで、2~3個付けたもの。色は赤、緑、白。

 潮が速くなるとタコが乗りづらくなってペースが落ちたが、右舷の脇田英男さん(三田市)は好調をキープ。その理由は軽い8本バリの浮きスッテに豚バラ肉を巻いたギジと餌のハイブリッド釣法だった。「ギジだけだとアタリが出たあとにタコが離してしまうから」と底をコツコツとたたき300グラム前後を2時間ほどで15匹もゲット。

 その後も、ポツリポツリと釣れ、正午前から再び潮が緩みだしてアタリが多発。タコ釣り初挑戦の丸岡俊夫さん(堺市)も、ようやくアタリを見極め、3連続の入れ掛かり。「グーッと重くなってからテンションを抜かずに合わせるのがコツかな。タコの重みが乗った感覚がやみつきになりますね」とタコ釣りに開眼。

 注目はへ先の宮谷恭一さん(神戸市)。ラスト1投で2・5キロを仕留め「小アジを餌にテンヤで一発大物を狙っていたのでうれしい。新子ばかりだったので大逆転ですわ」と声を弾ませた。

 竿頭は脇田さんで300グラム前後を25匹キープ。各自が思い思いの飾りを付けた仕掛けで誘いをかけ続け、腕に心地良い疲労感を覚えながら沖をあとにした。【近江康輔】

 【問い合わせ】小松乗合船【電話】078・923・8711。乗合船料金1人7500円。出船は午前6時。

 【交通】第2神明道路の玉津ICを出て、国道175号を南下。国道2号に合流する和坂交差点を直進。林小学校前の信号を右折し、県道718号へ。3つ目の信号を左折して直進。林崎漁港内に受付事務所がある。

 【今後の見通し】明石のマダコは梅雨明けからが本番。新子が成長し、アタリも分かりやすくなって数釣りが期待できる。