去りゆく夏と来る秋が交錯する東京湾。3つのイベントが9月上旬に実施された。それぞれ大盛況だった。シイラは7月30日に実施予定だった「てっぱつドルフィンフェスティバル」が台風で3日に順延。開催16年目で初めて参加者全員がシイラを釣った。9日は「釣ったシロギスを食べよう会」。750匹超をおいしくいただきました。10日はこれから本番のアオリイカを野島堤防から狙っちゃった!

 「てっぱつ」とは千葉・南房エリアの方言で「大きいもの」を指す。1メートルを超える巨魚シイラをルアーで釣る、しかもルアーは潜らず、落ちない表層で泳ぐタイプのポッパー&ペンシルしか使えない。7月30日開催予定だったが、台風5号の影響で3日に順延されて、43人が参加した。富浦港を本部にして保田「村井丸」、勝山「宝生丸」、富浦「共栄丸」に分乗した。

 「ペンペン」と呼ばれる70センチ未満の小型が多かったが、なんと参加した43人全員がシイラを釣った。開催16年目にして初の快挙だ。

 エサでまぐれで「釣っちゃった」経験のあるボーカリスト岡田万里奈(24)は「スゴい衝撃。ポッパーやペンシルをひったくられました。もう、楽しー」と4匹を釣って大興奮だった。

 尾を含まない全長勝負で競う。優勝はベテランの庄司三喜夫さん(56=君津市)で100センチ(尾を入れると120センチ)の大物。廃版となったペンシルで釣り上げた。「たまたま釣具店で見つけて、大人げなく全部買い占めた。初優勝ですね。うれしいです」と、優勝者が1年間保管できるチャンピオンベルトを腰に巻いて満足の表情。

 準優勝の村長宏和さん(40=君津市)は、シイラ釣りを始めてちょうど10年目。7年前の初心者講習会を受けていて「90センチ釣っちゃいました。まさかこんな日が来るなんて…2番目とれるなんて」と感激。3位はジュニア部門も制した幸地克樹くん(12=千葉市)で、80センチを釣った。てっぱつ初参加で「いつもは父とコマセマダイにもきてる。乗船したみんなが『頑張れ』って応援してくれて、本当にシイラは楽しい釣りですね」と喜んだ。