やったー、大魔神3年ぶりのクロマグロだ! 9月に入って絶好調の伊東「妙法丸」で、本紙野球評論家で、大物釣りエキスパートの佐々木主浩さん(49)が13日、40・9キロのマグロを見事に釣り上げた。3日前の10日、同船では131キロ(210センチ)もゲットしている。クロマグロ、まだまだ終わらない。

 3年前、同じ海域、同じ伊東「妙法丸」で、クロマグロを釣り上げた。当時は北風が吹き抜ける寒さに震えながらの釣行だったが、20キロ台を3匹仕留めた。今回は、焼け付くようなギラギラした太陽と青く広がる大空の下、たった1人でサオを握り、40・9キロの大型を釣り上げた。

 突然、スケジュールが空いて、太田勝久船長に「13日、どう?」と打診したところ予約なし。マグロと対峙(たいじ)できるチャンスにいてもたってもいられずに乗船の約束を入れた。

 大魔神を突き動かしたのは9月10日の“大記録”を意識したからだ。全長210センチ-なんとジャイアント馬場さんより1センチデカく、重さもワタ(内臓)抜きで131キロ。超モンスターだ。伊豆半島海域では過去にこれを上回るマグロは釣られていない。大物釣りにこだわる大魔神、心に火がついた。

 いつかは100キロ超。常に大魔神の頭の中にある言葉だ。釣りにはいろいろな魚種を相手にするものがある。ヒラメ、マダイ、そして海の王者マグロ。

 大魔神 ボクなりにこの釣り業界を盛り上げていきたい。今、大物釣りで代名詞になる有名・著名人がどれぐらいいるか。松方さん(弘樹)が亡くなって、その座がぽっかり空いている。おこがましいかもしれないけど、そこにはボクがおさまりたい。

 Tシャツからのぞく太い腕が黒光りする。決意は言葉ではなく、すでに体からにじみ出ていた。マグロの釣れる予感は漂っていた。

 エサにするサバを釣り上げ、生きたまま船内のイケスに放り込んだ。準備は整った。

 初投入となる午前7時すぎ、泳がせたサバをゆるゆると送り出し、道糸は100メートル近く出していた。サオをセットして、高ぶる気持ちを落ち着かせるように息を深くはいて腰を下ろした。直後、サオがギュンと入って、リールのドラグが鳴った。間違いないマグロだ。

 マグロが走る。ここは慌てずにマグロが疲れるまで待つ。

 大魔神 道糸のテンションを緩めず、かといって張りすぎず。アタリが来るとは思っていたけど、まさか1発目とは。

 道糸が300メートルで止まった。マグロとの勝負だ。太田船長もマグロの進む方向に船を動かし、サポートする。マグロにあわせながら約4キロを走ったところで、大魔神がマグロを浮かせてきた。魚体がプカリ。3年前の倍はありそうな大物だ。船内に引き込み、その姿をまじまじと見る。やはりデカい。ワタを除去して重さをはかると40・9キロ。

 大魔神 もう、腕がプルプルですわ。その後も狙ったけど、アタリが遠のいたので、早上がりしました。大満足です。やっぱりね、かっちゃん(太田船長)とは、気持ちがあうね。もう20年の付き合いだし。いや、良かった、いい釣りだ。

 仕留めたマグロは2日置いて、なじみのすし店で握ってもらった。

 大魔神 もう満足ですね。家族と一緒にいただいた。ただ、自分ばかりが釣りじゃアレなんで、近々アジ釣りに連れていきます。

 アジ釣りのみなさん、もしかしたら隣に大魔神がいるかもしれませんよ。

 ▼宿 伊東「妙法丸」【電話】0557・37・4913。クロマグロは仕立て船のみ。出船時間、料金は要確認。