日刊スポーツ、日刊銀鱗倶楽部主催「2018 月桂冠杯 滋賀・安曇川朽木アユ釣り大会」が22日、滋賀・安曇川の朽木地区で行われ、62人が参加し、アユの総匹数(オトリ2匹含む)を競った。先日の大雨で下流から小アユが大量に上り、オトリ交換に苦労する参加者もあったが、ポイントによっては新アカが付き、良型が活発な追いをみせた。道の駅下で引き釣りをした新谷裕次さん(大津市)が2位に5匹差をつける41匹(1693グラム)を追わせ、見事、初優勝。最長寸を釣った人に贈られる「月桂冠賞」は釣具メーカー・がまかつのフィールドテスターで、トップトーナメンターの福田眞也さん(五條市)が21・2センチを追わせ、獲得した。

 「やりました。ホームなのでぜひとも、勝ちたかった。最高の気分です」。優勝が決まった瞬間、新谷さんが喜びの言葉と共に笑顔を爆発させた。釣り方は得意の引き釣り。ベタ竿に構え、人が歩くほどのスピードで引き、やる気のある鮎だけを狙う速攻の釣りが信条だ。

 友釣り歴わずか4年ながら、「DVDや雑誌、名手の勉強会に参加し、独学で身につけた」センス抜群の瀬釣りをみせつけた。安曇川の朽木地区に通い続ける新谷さんが、選んだポイントは道の駅の裏にある瀬肩。「大雨後(1週間前)の白川状態でも、流芯で良型が掛かった」という、とっておきのポイントだった。

 今回は真夏の太陽がギラギラと照りつけ、新アカが付きだす、絶好のコンディションとなり、朝一から入れ掛かり。「目印が吹き飛ぶ強烈なアタリがたまらなかった。最高10連続で追ってきましたよ」と盛期の活発な追いを振り返る。仕掛けはメタルラインの0・05号に背バリを付けたもの。

 30メートルほどある瀬肩を上下することを繰り返して匹数を伸ばした。アタリがあっても、掛からないときはベタ竿を45度に起こし、オトリをしっかり底に入れて対応。循環を切らさないペースで釣り続け午前11時までに2位の皆己雅英さん(奈良・高取町)に5匹差をつける41匹でフィニッシュ。

 表彰式では優勝カップを手に「大会で優勝したのは初めてで、とてもうれしいです」と大喜び。副賞のお酒「純米大吟醸・鳳麟」が贈られると「日本酒が大好きで、いつも月桂冠の『つき』を飲んでいます。今夜は釣った鮎を塩焼きにしてじっくり味わいたい」と「鳳麟」を大切そうに脇に抱え会場を後にした。ポイント選びがずばりはまり、得意の引き釣りで躍動する若手の活躍が光る大会だった。【近江康輔】