11月23日から伊豆半島3地区を舞台に冬季恒例となった「伊豆半島磯メジナダービー」が開幕した。期間内に釣れたメジナ3匹の全長合計で競うバトルで、今シーズンは3月3日(日)まで熱い激闘が繰り広げられる。毎回優勝ラインは120センチ台後半から130センチ超。つまり、40センチ以上を3匹持っていると上位に食い込める。今季はスタートから40センチ台が釣れている。どうなってるんだ?

そこかしこで感じられたサメの気配が消えていた。石廊崎「橋本屋」山本一人代表は「潮温が高くてなかなか今も20度をあっちにいったり、こっちにいったりしてる。でも、サメの姿がだんだん見えなくなって、少し状況が変わってきたのかもしれない」と話す。

エルニーニョ現象の影響なのか、今夏の置きみやげなのか、海水温度は簡単には下がってくれない。メジナが活発に動いてくれる潮温は「18度」が目安ともいわれるが、あとひと息で届きそうなのだが、これがなかなかに遠い。大瀬「倉の下」山本良一代表は「まだ、潮が暖かいときに釣れる夏の魚、イサキがじゃんじゃん釣れています。本格的に冬の海になるのはまだかな。気長に待ちます」と苦笑いを浮かべた。

それでも、今季もメジナダービーは始まった。40センチ台のメジナが釣れていたからだ。今季はメジナの気配はある。昨シーズンは雲見「佐市丸」鈴木佐敏代表は「1年前だろ、いやぁ~、参っちゃったね。あんなに不漁なシーズンも珍しかった。今年はいいと思うよ。なんだかダービー前も40センチ前後のメジナは釣れていたからね」と話す。

ダービーの期間は11月23日から3月3日まで。3カ月超のロングラン大会だ。期間内に釣ったメジナ3匹の全長で勝負する。1匹からの入れ替えが可能で、期間内なら何度挑戦してもいい。開幕後、すでにナイスサイズが記録されている。

11月24日、大瀬の黒根で加藤理恵子さん(46=川崎市)が43・2センチを釣り上げた。「朝イチでした。いつもダンナについてサオを出しているだけなのに釣れてしまいました。こんな大きいメジナは初めてで、とてもびっくりしました。マグレです」と加藤さんは振り返った。

昨シーズンダービー覇者の白樫悟さん(57=板橋区)が同27日、石廊崎エホンに渡って40・3センチをキャッチしている。この日は別の磯に渡っていたが、何も釣れなくて、正午からエホンに変えた。その移動した直後ぐらいにアタリが出た。

白樫さんは「やはり20センチ以下の木っ端(こっぱ)やイサキばかり。ヘタにコマセをまいてしまうとエサ取り(本命ではない魚)が集まるから、静かに投入する」のが大事と話し「ウキの下は実はそんなに深くないサオ1本(約5メートル)ではなく2ヒロ(約3メートル)ぐらい」と解説してくれた。潮温が高いからか魚も浮いているようだ。

しかし、潮の温度の変わり目にはきているので、釣れるパターンは日々変化している。その日の潮の流れ、強さ、魚の動きを見て、頭を絞って悩む楽しさに浸ってくださいね。【寺沢卓】

▼問い合わせ 大瀬「倉の下」、石廊崎「橋本屋」、雲見「佐市丸」3地区。各宿詳細は要確認。ダービーは通常の渡船料金に初回だけ1000円の参加費を納める。参加賞として日刊スポーツ特製保冷トートバッグを進呈。