マダイの魚影が抜群に濃い兵庫・豊岡の津居山沖でディープタイラバゲームを楽しもうと先日、「豊裕丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の乗合船で水深100メートルラインを攻めた。開始早々から65センチのグッドサイズが上がり、カサゴや沖メバル、レンコダイなどの根魚もお目見え。船中で35~65センチのマダイを6匹釣り上げた。タイラバは前アタリが出てから針掛かりし、取り込むまでの一連の動作がとてもスリリングでゲーム性の高さを実感した。

「タイラバにはまってもうてね。よう釣れますよ。前アタリが出始めてから掛かるまでがスリリングでたまらんわ」。遊漁船歴35年の大ベテラン、沖野裕船長もタイラバにぞっこんだ。

津居山沖は大小の天然瀬が無数にあり、広大なポイントを流し釣りで探る。大物への期待を膨らませ、午前11時前、水深100メートルラインに入った。まずは船長が見本とばかりに120グラムのタイラバを底まで落とし、引き上げようとした瞬間、コツコツコツコツ。いきなり前アタリをとらえた。

早合わせは禁物。そのままゆっくり引き上げて食い込みを待つ。「このドキドキタイムがタイラバのだいご味なんですよ」と船長がにんまり。そして竿先がグーッと引き込まれたタイミングで合わせると竿が弓なりに曲がる。

タイラバは食いが浅いことが多いのでやりとりもドキドキ。パワフルな3段引きを受け止めるたびに緊張が走る。5分ほどのファイトで姿を見せたのは65センチのグッドサイズ。ピンク色に輝く美しい桜ダイだった。

この良型に同乗者が色めき立つが、その後はカサゴや沖メバルのオンパレード。そして午後2時前、再び本命アタリが竿先にでだす。コツコツコツ。明らかなマダイの反応に思わず合わせるとバラしてばかり。

そんな中、目を引いたのは津居山沖のマダイの濃さに魅せられ、豊裕丸に通うへ先の堀井邦夫さん(宝塚市)。「食い込みを待たずにタイミングを見計らって合わせたほうがいいですよ」と速めのリーリングで活性を上げ、前アタリから少し竿先が入った瞬間、次々にフッキング。なんと35~45センチを3連発で仕留めた。

記者もまねるとヒット。なるほど。これなら攻めの釣りで面白い。タイラバはリールをまき続けるだけでどこが面白いのかと疑心暗鬼だったが、ゲーム性の高さがわかった気がして意気揚々。締め込みをかわしながら40センチを取り込んだ。

船尾では昨年の同時期に津居山沖で80センチ級を2匹も食わせた神戸の松本宏さんが「ケイムラのスカートに変えたら一発でした」と同型を手ににっこり。その後も、夕方の時合を期待して攻め続けたが、残念ながら追加はなく午後5時ごろに納竿した。

朝から出た船は70センチを筆頭に7匹も釣った人がいたと聞きがっくり。次回は朝一から頑張るぞとリベンジを誓い沖をあとにした。タイラバの面白さ、釣り方のヒントをつかみ、帰りの道中は反省しきり。これだから魚釣りはやめられない。【近江康輔】

【今後の見通し】ゴールデンウイークに向けて乗っ込みの大型マダイが絶好機を迎える。海が穏やかなら数、型ともに期待できるだろう。定置網にはすでにケンサキイカも入っている。年々、釣れだしが早くなっているのでこちらも狙い目。初期は良型が釣れる。

【問い合わせ】豊裕丸【電話】090・3057・6599。乗合船料タイラバ1万2000円。イカメタル1万円。

【交通】大阪からは中国自動車道の吉川JCTで舞鶴若狭道へ。春日ICで北近畿豊岡自動車道へ入り日高神鍋高原ICを出て1つ目の信号を右折。国道312号で豊岡方面へ。豊岡から県道3号を北上。城崎温泉をすぎ、港大橋を渡り、気比の信号を左折。小さな水路にかかる橋を越えてすぐに左折して乗船場へ。