今夏の1番人気は東京湾のタチウオ。行きたい。釣ってみたい…でも、どうしたらいいんだろう。この流れに乗り遅れてしまったお父さんもいるでしょ? いまさら聞けないタチウオのあれこれ。この紙面で全部書き出しちゃいます。そうなると、東京湾のエギのマダコも気になりますよね、来週30日に特集しますよ。

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お父さん、家族に気付かれずにこっそり読んでくださいね。お母さん、内緒でお父さんに教えてあげてネ。いつの間にかタチウオ名人、というシナリオをつくってみました。

タチウオの釣り方は大きく分けると2つ。エサとルアーのジギング。

「興味はあるけど、でも、これからだと遅くないかなぁ~。いまさらねぇ」

いまさら、やってみましょう! すんごい盛り上がっていることに入りづらいのは分かります。でも、こんなにタチウオがいるのに、今年デビューしないのはもったいないですよ。

まず、エサ編。ハリを結べるようになろう。タチウオ釣りの道具は、もしかしたら船釣りの中で最も簡単かもしれません。片天ビンにオモリをつけて、ハリスにハリを結ぶだけ。問題は、どうやって結ぶか。外掛け結び、これは最後に写真で説明します。

これさえできれば、仕掛けを購入しなくても、自分でハリとハリスを購入するだけでいい。

ハリにはサイズがあって「1/0」「2/0」「3/0」とだんだん大きくなっていきますが、今年の東京湾は一番小さい「1/0」が相性がいい。ただ、「2/0」の方が掛かりがいい場合もあるので「1/0」と「2/0」を用意しよう。ハリスはフロロカーボン素材の6号で十分です。

オモリは、1日で潮の緩慢が出て、使い分けるので40・50・60・70・80号をそれぞれ用意してください。船宿によって、使う重さも違うので、ちゃんと問い合わせて確認しましょう。

さて、誘いです。今、狙う水深は40~60メートル。底まで落としてください。底から数メートルでヒットすることもあるし、海面下10メートルで当たることもある。エサはコノシロやサバの切り身を使いますが、じっくり見せてあげましょう。回転ずしで、レーンが速すぎると取れませんよね? それはタチウオも同じ。じっくりエサを見せましょう。

21日に川崎「つり幸」に乗った際にリールを高速回転で誘っていた女性が「なんか釣れなーい」と叫んでいたので、ちょっとアドバイス。リールのハンドルを時計の秒針にたとえるなら、シャクり1回で60秒(1回転)ではなく5~10秒の小刻みな誘いで…と耳打ちしたら「キャー、ブルブルしてる。わっ、サオ先がギュン、って。巻きます」と無事にゲットできました。

誘いは最初は小刻みにスローに。タナ(魚の泳層)は分刻みで変わるので、底から丁寧に探っていきましょう。ときどき、止めたり、速くしたり、動きに変化を入れていくと釣果はアップすると思います。

ルアーは、メタルジグの80~200グラムまでをそろえておくといいかも。エサとは違って、リアクションでタチウオが近寄ってくるため、シャクりは速くしてみましょう。キラキラと目立つ動きが有効なようなので。

ただし、誘いは広範囲に。ジグの色は、そのときの潮の明るさによって、違ってきますが、なんといっても今年は「赤/金」がいい。周囲が釣れているときに違う色のジグならば、さりげなく「赤/金」に変えてみてください。

あと、タチウオはキバが鋭くて、ちょっとキバに触れただけで、ざっくりと切れちゃいます。そこだけ気をつけてネ。

今年の東京湾は、魚影が濃い。長い梅雨が影響したのか、ここにきてサイズも6月初旬の「F2(指2本分の体高)」だったのが「F3~4(指3~4本)」にまで成長してきた。9月21日には「大タチウオ東京湾大会」を実施します。久里浜「大正丸」、新安浦「長谷川丸」、八景「太田屋」、川崎「つり幸」の4地区合同。今年デビューのお父さんの参加もお待ちしております。【寺沢卓】

◆結びはこれで万全 特別にデカいハリを作ってみました。ハリスと結ぶときにやっかいなのは、ハリのリングをどう絡めるか。

(写真1)ハリスは、ハリのリング外側から通す。ハリのふところ(カーブしている部分)に近いところでハリスの輪っかを作って左手でおさえる。

(写真2)ハリスをハリの軸(真っすぐな部分)の内側を同時に5~7回巻き込む。端糸を輪っかに通して、本線を引っ張って結び目を作る。端糸の余りを切ったらできあがり。